不変汎関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:59 UTC 版)
局所コンパクト群 G 上のコンパクト台を持つ複素数値連続関数のなすベクトル空間を Cc(G) とし、その連続的双対空間を M(G) とする。不変ハール測度は不変正値汎関数(ハール汎関数とも呼ばれる)と一対一に対応するので、しばしば不変ハール測度と不変ハール汎関数とを同一視して扱われる。 実際に、局所コンパクト群 G とその上の左ハール測度 μ に対して Cc(G) の元 f の μ に関する積分を対応させる汎関数 Φ : f ↦ ∫ G f ( x ) d μ ( x ) {\displaystyle \Phi \colon f\mapsto \int _{G}f(x)d\mu (x)} は左不変ハール汎関数であり、逆に左不変ハール汎関数 Φ が与えられたとき、左ハール測度 μ で Φ の各 f ∈ Cc(G) ので値 Φ(f) を f の μ に関する積分として実現するものが取れる。ただし、複素数値汎関数が正値あるいは非負値であるとは、G 上の関数 f(x) が正値(恒等的に非負)ならば ∫ G f ( x ) d μ ( x ) ≥ 0 {\displaystyle \int _{G}f(x)d\mu (x)\geq 0} となることを言う。また、汎関数が左不変であるとは、G の元 g の G における左移動作用の構造移行 ∫ G f ( g x ) d μ ( x ) = ∫ G ( L g − 1 f ) ( x ) d μ ( x ) = ∫ G f ( x ) d ( L g μ ) ( x ) {\displaystyle \int _{G}f(gx)d\mu (x)=\int _{G}(L_{g^{-1}}f)(x)d\mu (x)=\int _{G}f(x)d(L_{g}\mu )(x)} によって汎関数の空間 M(G) への左移動作用を定めるとき Lgμ = μ が G の任意の元 g でなりたつことをいう。左不変性を右不変性、両側不変性に取り替えたものも同様に定める。
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