下位分類と代表種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 19:21 UTC 版)
他の接合菌では、胞子嚢の柄が特別な形で分枝したり、胞子嚢が特殊な形になっていたり、様々な分化が見られるが、ケカビではそういった特徴がない。それだけに、明確な特徴が捉えにくく、同定が難しい。しかも、種数が多く、それぞれに変異の幅も広いので、分類はかなり混乱している。種として記載されている種数は600を越える。温度、基質などの条件で容易に変化するため、実際の種数はその10分の1か、それ以下と見られる。胞子嚢の形態や大きさ、胞子嚢胞子の形などで分類が行われている。いくつかの節(Sect.)に分ける分類も行われている。たとえば以下のように分ける。 Sect. hiemalis:小型、繊細で胞子嚢柄は仮軸状に分枝。Mucor hiemalis 広い範囲で普遍的に観察される。灰色っぽいコロニーを作る。 Sect. mucedo:大型で背が高く、ほとんど分枝しない。同時に小型で分枝する胞子嚢を出すものもある。Mucor mucedo 背の高い胞子嚢柄と背の低い胞子嚢柄を形成する。高い方は高さ3cmにもなり、ほとんど分枝しない。背の低い方は、小型で細かく仮軸状に分枝する。糞などによく出現する。 Sect. flavus:やや大型、胞子嚢柄は仮軸状に分枝。 Sect. sphaelosporus:胞子嚢胞子がほぼ球形のもの。 Sect. genevensis :自家和合性の種。各節のものから変化したとも考えられる。M. genevensis M. hiemalisに似るが、単独で接合胞子をどんどん作る。 Sect. racemosus :やや小型、よく分枝するが、胞子嚢直下の柄が短いので胞子嚢が数珠繋ぎになったように見える。M. racemosus Sect. circinelloides :小型、背の高い胞子嚢柄と背の低い胞子嚢柄を形成し、仮軸状に分枝する。M. circinelloides
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