ワイルドフラワーズ (トム・ペティのアルバム)とは? わかりやすく解説

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ワイルドフラワーズ (トム・ペティのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/30 09:16 UTC 版)

『ワイルドフラワーズ』
トム・ペティスタジオ・アルバム
リリース
録音 カリフォルニア州ロサンゼルス サウンド・シティ・スタジオ英語版オーシャン・ウェイ・レコーディング[1]
ジャンル ロックフォークロック
時間
レーベル ワーナー・ブラザース・レコード
プロデュース リック・ルービン、トム・ペティ、マイク・キャンベル
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 7位(スウェーデン[4]
  • 8位(アメリカ[5]
  • 13位(オーストリア[6]
  • 15位(ドイツ[7]
  • 17位(スイス[8]
  • 20位(ノルウェー[9]
  • 29位(ニュージーランド[10]
  • 36位(イギリス[11]
  • 38位(オーストラリア[12]
  • 75位(オランダ[13]
  • ゴールドディスク
  • トリプル・プラチナ(RIAA[14]
  • トム・ペティ アルバム 年表
    グレイテスト・ヒッツ
    (1993年)
    ワイルドフラワーズ
    (1994年)
    プレイバックBOX
    (1995年)
    テンプレートを表示

    ワイルドフラワーズ』(Wildflowers)は、アメリカ合衆国ロック・ミュージシャン、トム・ペティ1994年に発表した、ソロ名義では2作目、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ名義のアルバムも含めれば通算10作目のスタジオ・アルバム

    背景

    ザ・ハートブレイカーズのメンバーのうち、スタン・リンチを除く全員がレコーディングに参加し[15]、本作でドラムスを担当したスティーヴ・フェローンは、後にザ・ハートブレイカーズの正式メンバーとなった[16]。また、「トゥ・ファインド・ア・フレンド」には、当時スタジオを訪れていたリンゴ・スターがゲスト参加した[17]。なお、1994年11月19日の『サタデー・ナイト・ライブ』で「ユー・ドント・ノウ・ハウ・イット・フィールズ」が演奏された際には、デイヴ・グロールがサポート・ドラマーを務めた[18]

    本作でプロデューサーに起用されたリック・ルービンは、1993年発売のベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ』でも、新曲「メアリー・ジェーンズ・ラスト・ダンス」と、サンダークラップ・ニューマンのカヴァー「サムシング・イン・ジ・エアー」をプロデュースしていた[19]。ペティ自身は当初、本作を2枚組CDとして発売しようと考えていたが、最終的には1枚にまとめられた[2][20]

    反響

    母国アメリカではBillboard 200で8位に達し[5]、1995年8月にはRIAAによりトリプル・プラチナの認定を受けた[14]。スウェーデンでは合計11週トップ60入りし、最高7位を記録した[4]

    評価

    第38回グラミー賞では、本作が最優秀ロック・アルバム賞にノミネートされ、収録曲「ユー・ドント・ノウ・ハウ・イット・フィールズ」は最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞した[21]。また、本作でレコーディング・エンジニアを務めたデヴィッド・ビアンコ、リチャード・ドッド、スティーヴン・マクラフリン、ジム・スコットは、第38回グラミー賞で最優秀エンジニアード・アルバム賞(ノン・クラシカル)を受賞した[21]

    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、ペティのアルバムとしては収録時間が長いことを指摘した上で「スペースに余裕ができたことで、激しいロックや地に足のついたブルースだけでなく、ギターをかき鳴らした暖かみのあるフォークにも、同等の比重を置くことができた」「歌手、ソングライター、ロック・ミュージシャンとしてのペティを幅広く網羅している」と評している[2]。クリス・ウィルマンは1994年10月30日付の『ロサンゼルス・タイムズ』紙のレビューで4点満点中3点を付け「一貫性のあるアルバムではなく、ペティが過去に発表した名曲に並び得る新曲もない。しかし、彼が本作で発表した曲は寄せ集めとはいえ、興味深く絶妙な余韻に満ちており、即効性のある名曲に欠けていても、嘆くことはない」と評している[3]

    Stereogumによる2014年の企画「Tom Petty Albums From Worst To Best」では、『破壊』(1979年)に続く2位となった[15]。『ローリング・ストーン』誌が2019年に選出した「'90年代のベスト・アルバム100」では12位にランク・イン[22]

    リイシュー

    2020年に発売されたデラックス・エディション盤CD『Wildflowers & All the Rest』では、ディスク2にアウトテイク10曲、ディスク3にデモ・レコーディング15曲、ディスク4にライブ音源14曲が収録された[20]。また、スーパー・デラックス・エディション盤限定のディスク5は、『Finding Wildflowers』と題された別テイク集である[20]。なお、『Finding Wildflowers』は、2021年に単体のアルバムとして発売された[23]

    収録曲

    特記なき楽曲はトム・ペティ作。

    1. ワイルドフラワーズ - "Wildflowers" – 3:11
    2. ユー・ドント・ノウ・ハウ・イット・フィールズ - "You Don't Know How It Feels" – 4:49
    3. タイム・トゥ・ムーヴ・オン - "Time to Move On" – 3:15
    4. ユー・レック・ミー - "You Wreck Me" (Tom Petty, Mike Campbell) – 3:22
    5. イッツ・グッド・トゥ・ビー・キング - "It's Good to Be King" – 5:11
    6. オンリー・ア・ブロークン・ハート - "Only a Broken Heart" – 4:30
    7. ハニー・ビー - "Honey Bee" – 4:58
    8. ドント・フェイド・オン・ミー - "Don't Fade on Me" (T. Petty, M. Campbell) – 3:32
    9. ハード・オン・ミー - "Hard on Me" – 3:48
    10. キャビン・ダウン・ビロウ - "Cabin Down Below" – 2:51
    11. トゥ・ファインド・ア・フレンド - "To Find a Friend" – 3:23
    12. ハイヤー・プレイス - "A Higher Place" – 3:56
    13. ハウス・イン・ザ・ウッズ - "House in the Woods" – 5:32
    14. クローリング・バック・トゥ・ユー - "Crawling Back to You" – 5:05
    15. ウェイク・アップ・タイム - "Wake Up Time" – 5:20

    参加ミュージシャン

    アディショナル・ミュージシャン

    脚注

    1. ^ CD英文ブックレット内クレジット
    2. ^ a b c Erlewine, Stephen Thomas. “Wildflowers - Tom Petty - Album”. AllMusic. 2024年8月21日閲覧。
    3. ^ a b Willman, Chris (1994年10月30日). “TOM PETTY "Wildflowers" Warner Bros.* * *”. Los Angeles Times. 2024年8月21日閲覧。
    4. ^ a b swedishcharts.com - Tom Petty - Wildflowers
    5. ^ a b Tom Petty - Awards”. AllMusic. 2016年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月21日閲覧。
    6. ^ Tom Petty - Wildflowers - austriancharts.at
    7. ^ Offizielle Deutsche Charts
    8. ^ Tom Petty - Wildflowers - hitparade.ch
    9. ^ norwegiancharts.com - Tom Petty - Wildflowers
    10. ^ charts.org.nz - Tom Petty - Wildflowers
    11. ^ TOM PETTY songs and albums | full Official Chart History
    12. ^ australian-charts.com - Tom Petty - Wildflowers
    13. ^ Tom Petty - Wildflowers - dutchcharts.nl
    14. ^ a b Gold & Platinum”. RIAA. 2024年8月21日閲覧。
    15. ^ a b Toth, James Jackson (2014年8月5日). “Tom Petty Albums From Worst To Best”. Stereogum. 2024年8月21日閲覧。
    16. ^ Steve Ferrone Interview (No.1) (2008/2)”. Heartbreaker's Japan Party. 2024年8月21日閲覧。
    17. ^ Zoladz, Lindsay (2020年10月15日). “The Raw Roots of Tom Petty's 'Wildflowers,' Revealed at Last”. New York Times. 2024年8月21日閲覧。
    18. ^ You Don't Know How It Feels by Tom Petty”. Songfacts. 2024年8月21日閲覧。
    19. ^ 日本盤CD (WPCR-6)ライナーノーツ(大友博、1994年9月13日)
    20. ^ a b c トム・ペティ 94年ソロ・アルバム『Wildflowers』のデラックスエディション発売”. amass.jp (2020年8月21日). 2024年8月21日閲覧。
    21. ^ a b 38th Annual GRAMMY Awards”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2024年8月21日閲覧。
    22. ^ 100 Best Albums of the '90s”. Rolling Stone (2019年10月4日). 2024年8月21日閲覧。
    23. ^ トム・ペティ『Finding Wildflowers (Alternate Versions)』全曲公開”. amass.jp (2021年4月6日). 2024年8月21日閲覧。

    外部リンク




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