リジー・ボーデン (バンド)
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リジー・ボーデン Lizzy Borden |
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USA・サンアントニオ公演(2014年8月)
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基本情報 | |
別名 | スターウッド (Starwood) ダイアモンド・ドッグズ (Diamond Dogs) |
出身地 | ![]() |
ジャンル | LAメタル、ヘヴィメタル、パワーメタル、グラムメタル、ハードロック、ショック・ロック |
活動期間 | 1983年 - 1993年 1998年 - 2004年 2006年 - |
レーベル | メタル・ブレイド・レコーズ |
共同作業者 | W.A.S.P. トゥイステッド・シスター オジー・オズボーン リンチ・モブ |
メンバー | リジー・ボーデン ジョーイ・スコット モルテン・アンデルソン アイラ・ブラック |
旧メンバー | 「旧メンバー」参照 |
リジー・ボーデン(Lizzy Borden)[1]は、アメリカ合衆国出身のヘヴィメタル・バンド。
1980年代のLAメタル・ムーブメント期に誕生したグループの一つで、同名のボーカリスト リジー・ボーデンがフロントを務める。ホラー要素を多分に含んだヴィジュアル系の「ショック・ロック」を特色としている。
来歴

リジー・ボーデンは、アリス・クーパーやキッスなどによって始まったショック・ロックというスタイルをとっている。バンドの名は、19世紀末に殺人容疑で告発され、無罪放免となった悪名高い女性リジー・ボーデン(Lizzie Borden)から名付けられた(ただし、「リジー」の綴りは語尾が変えられている)。
このバンドは、1980年代半ばのロサンゼルスにおけるグラム・メタル・シーンに位置づけられるが、音楽的には、アリス・クーパー、ブラック・サバス、アイアン・メイデン、ジューダス・プリースト、キッスといったバンドから影響を受けていた。歌詞の主題もこのスタイルに典型的なものであり、特に初期のレコーディングではその傾向が強い。
このバンドは、ロキュメンタリー作品『ザ・メタルイヤーズ (The Decline of Western Civilization Part II: The Metal Years)』でも大きく扱われた。一時、ギタリストとして在籍したジョー・ホームズ (Joe Holmes) は、後にデイヴィッド・リー・ロスやオジー・オズボーンのバンドに参加し、ベーシストであったマイケル・デイヴィス (Michael Davis) は2003年にハルフォード (Halford) に参加し、現在のベーシストであるスウェーデン生まれのモルテン・アンデルソン (Mårten Andersson) は、リンチ・モブ(Lynch Mob)やレガシー(Legacy)のツアーやレコーディングに参加した経験がある。
2004年5月17日、ギタリストのアレックス・ネルソン(Alex Nelson) が自動車の正面衝突事故で事故死し、リジー・ボーデンはその後間もなく解散した。
2006年、リジー・ボーデンは、新たなギタリストにアイラ・ブラック (Ira Black) を迎えて再結成し、2007年11月1日にアルバム『死との約束 (Appointment with Death)』を世界各国でリリースした。このアルバムには、ジョージ・リンチ(ドッケン、リンチ・モブ)、デイヴ・メニケッティ (Dave Meniketti)(Y&T)、コリィ・ビューリュー (Corey Beaulieu)(トリヴィアム)らがゲストとして参加していた。このアルバムから最初に発表されたビデオ「明日なき道 (Tomorrow Never Comes)」は、『MTV Headbangers Ball』が選んだ2008年のトップ25メタル・ビデオのひとつに選ばれた。これに続いたビデオ「アンダー・ユア・スキン (Under Your Skin)」は同年4月に初公開された。
2008年はじめ、バンドは、スウェーデンで開催されるスウェーデン・ロック・フェスティバル (Sweden Rock Festival) や、スペインのコベタソニック・フェスティバル (Kobetasonik festival)、ドイツのバング・ユア・ヘッド (Bang Your Head) など、各地のフェスティバルへの参加を公表した。2008年11月には、リジー・ボーデンはフィンランドの(化け物の仮面を付けて演奏する)モンスター・ロッカーたちのグループであるローディとともに、アメリカ合衆国をツアーした。バンドは、ヨーロッパでもヘッドライナーを務めるツアーを行い、11か国で演奏した。2009年にドイツ南部ラウダ=ケーニヒスホーフェンのタウバーフランケンハーレ (Tauberfrankenhalle) で2日間にわたって開催されたキープ・イット・トゥルー XII (Keep It True XII) では、初日のヘッドライナーを務めた。北米では、 ロックラホマ (Rocklahoma) や、(実際には開催されなかった)ロック・ゴーン・ワイルド (Rock Gone Wild) の出演者にも名を連ねた。
2009年1月24日、元メンバーでギタリストだったコーリー・ジェイムズ (Corey James) が自動車事故で亡くなった[2]。
2010年、リジー・ボーデンは、北米とヨーロッパをツアーし、ヴァッケン・オープン・エア(ドイツ)、アルカトラス・メタル・フェスティバル (Alcatraz Metal Festival)(ベルギー)、フェスティバル・レイエンダス・デル・ロック (Festival Leyendas del Rock)(スペイン:キャンセルされた)、エルスロック・フェスティバル (Elsrock Festival)(オランダ)を回った。
2011年、リジー・ボーデンは、「Summer of Blood」ツアーで北米を回り、続いてそのヨーロッパ版である「Death Takes a Holiday Tour」を行なった。この年のフェスティバルへの参加は、ヘヴン・アンド・ヘル・メタル・フェスト (Heaven and Hell Metal Fest)(メキシコ)、クリスマス・メタル・フェスティバル (Christmas Metal Festival)(不詳)、ハード・ロック・ヘル (Hard Rock Hell)(ウェールズ)などがあった。
2011年12月17日、結成時からのバンドのドラマーであるジョーイ・スコット (Joey Scott) が、ドイツ人のツアー・マネージャーでダンサーでもあるステファニ (Steffi) と、ネバダ州ラスベガスで結婚式を挙げた。
2012年、リジー・ボーデンは、メキシコやヨーロッパで、様々な野外へスティバルに参加した。その中には、フランス西部クリッソン (Clisson:en) で開催されたヘルフェスト (Hellfest:en) や、イタリアのミラノ近郊で開催されるゴッズ・オブ・メタル (Gods of Metal:en) も含まれていた。この2つのフェスティバルには、オジー・オズボーン、モトリー・クルー、ガンズ・アンド・ローゼズなど多数のバンドが出演していた。バンドは7月にもヨーロッパへ戻り、オランダのズワルテ・クロス (Zwarte Cross:en)、ドイツのヘッドバンガーズ・オープン・エア (Headbangers Open Air)、さらにブルガリアのカヴァルナ・ロック・フェスト (Каварна Рок Фест:Kavarna Rock Fest) にも初出演した。
2013年、リジー・ボーデンは、(クルーズ船を会場にして行なわれるヘヴィメタル・フェス)70000トンズ・オブ・メタル (70000 Tons of Metal) のために新たに構成された「30 years of American metal」のツアーを開始し、一連のアメリカ合衆国でのショーと、スウェーデンのスコーグスレージェット(Skogsröjet)などヨーロッパでのフェスティバルへの参加を行なった。
2018年、11年ぶりのアルバム『マイ・ミッドナイト・シングス』を発表[3]。
メンバー
現ラインナップ
- リジー・ボーデン (Lizzy Borden) – リード・ボーカル (1983年– )
- ジョーイ・スコット (Joey Scott) – ドラムス (1983年– )
- モルテン・アンデルソン (Mårten Andersson) – ベース (1992年–1996年、1999年– )
- アイラ・ブラック (Ira Black) – ギター (2006年–2008年、2014年– )
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リジー・ボーデン(Vo) 2014年
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モルテン・アンデルソン(B) 2014年
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アイラ・ブラック(G) 2014年
旧メンバー
- ジーン・アレン (Gene Allen) – ギター (1983年–1988年)
- トニー・マトゥザック (Tony Matuzak) – ギター (1983年–1985年)
- スティーヴ・ホックヘイザー (Steve Hochheiser) – ベース (1983年)
- マイケル・デイヴィス (Michael Davis) – ベース (1983年–1988年)
- アレックス・ネルソン (Alex Nelson) – ギター (1985年–1987年、1999年–2004年) ※2004年死去
- ジョー・ホームズ (Joe Holmes) – ギター (1987年–1988年)
- ブライアン・ペリー (Brian Perry) – ベース (1989年–1992年)
- デイヴィッド・マイケル・フィリップス (David Michael Philips) – ギター (1989年–1996年)
- コーリー・ジェイムズ・デュアム (Corey James Daum) – ギター (1989年–1996年) ※2009年死去
- ロニー・ジュード (Ronnie Jude) – ギター (1989年)
- クリス・サンダース (Chris Sanders) – ギター (2009年)
- ダリオ・ロリーナ (Dario Lorina) – ギター (2010年–2014年)
- A・C・アレキサンダー (AC Alexander) – ギター (2010年–2014年)
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
- 『ラヴ・ユー・トゥ・ピーセズ』 - Love You to Pieces (1985年)
- 『メナス・トゥ・ソサイアティ』 - Menace to Society (1986年)
- 『ヴィジュアル・ライズ』 - Visual Lies (1987年)
- 『マスター・オブ・ディスガイス』 - Master of Disguise (1989年)
- 『ディール・ウィズ・ザ・デヴィル』 - Deal with the Devil (2000年)
- 『死との約束』 - Appointment with Death (2007年)
- 『マイ・ミッドナイト・シングス』 - My Midnight Things (2018年)
スターウッド (Starwood) 名義
- 『イフ・イット・エイント・ブローク、ブレイク・イット!』 - If It Ain't Broke, Break It! (2004年)
EP
- 『ギヴ・エム・ジ・アックス』 - Give 'Em the Axe (1984年)
- 『テラー・ライジング』 - Terror Rising (1987年)
ライブ・アルバム
- 『マーダラス・メタル・ロード・ショウ~ライヴ』 - The Murderess Metal Road Show (1986年)
コンピレーション・アルバム
- 『ベスト・オブ・リジィ・ボーデン』 - Best of Lizzy Borden (1994年)
デモ音源
- Demo '83 (1983年)
シングル
- "Ultra Violence" (1986年)
- "Me Against the World / Den of Thieves" (1987年)
出典・脚注
- ^ 「リジィ・ボーデン」の表記もある。
- ^ Classic Rock Magazine. Issue 130, April 2009, page 14.
- ^ “リジー・ボーデンが11年ぶりの新アルバム『My Midnight Things』を6月発売”. amass (2018年4月19日). 2018年5月29日閲覧。
外部リンク
- リジー・ボーデン_(バンド)のページへのリンク