ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式の意味・解説 

ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 08:20 UTC 版)

ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式(ランダウ=リフシッツ=ギルバートほうていしき、英語: Landau–Lifshitz–Gilbert equation)は、磁場中での磁化ベクトルの歳差運動を記述する微分方程式である。式の名称は、1935年に磁化の動力学において歳差運動に減衰項を初めて導入したレフ・ランダウエフゲニー・リフシッツ[1]、および、1955年に減衰項を修正したT. L. Gilbert[2]の3人に由来する。


  1. ^ Landau, L. D.; Lifshitz, L. M. (1935). “On the theory of the dispersion of magnetic permeability in ferromagnetic bodies”. Physik. Zeits. Sowjetunion 8: 153-169. 
  2. ^ Gilbert, T.L. (1955). “A Lagrangian formulation of the gyromagnetic equation of the magnetic field”. Physical Review 100: 1243. 
  3. ^ a b Aharoni 1996
  4. ^ Brown 1978
  5. ^ Chikazumi 1997
  6. ^ Iwata, Takao (1983). “A thermodynamical approach to the irreversible magnetization in single-domain particles”. Journal of Magnetism and Magnetic Materials 31–34 (2): 1013-1014. doi:10.1016/0304-8853(83)90774-6. Iwata, Takao (1986). “Irreversible magnetization in some ferromagnetic insulators”. Journal of Magnetism and Magnetic Materials 59 (3-4): 215–220. doi:10.1016/0304-8853(86)90415-4. 
  7. ^ Yamada, T.; Fujisaka, H.; Mori, H. (1973). “Landau-Lifshitz Equation of Motion for Ferromagnetic Systems”. Progress of Theoretical Physics 49 (3): 1062-1063. doi:10.1143/PTP.49.1062. 
  8. ^ Stiles, M. D.; Saslow, W. M.; Donahue, M. J.; Zangwill, A. (2007). “Adiabatic domain wall motion and Landau-Lifshitz damping”. Physical Review B 75 (21): 214423. doi:10.1103/PhysRevB.75.214423. arXiv:cond-mat/0702020


「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の続きの解説一覧

ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/20 09:35 UTC 版)

「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の記事における「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の解説

LL方程式減衰項はラーモア歳差運動トルク比例している。しかし、実際に磁性体中で起こる減衰では、磁化ベクトル時間変化しているため、その減衰運動もまた時間依存しているはずである。1955年ギルバートLL方程式における減衰項を磁化時間微分比例する項に置き換えたd M d t = − γ M × H e f f + α M s M × d M d t {\displaystyle {\frac {d{\textbf {M}}}{dt}}=-\gamma {\textbf {M}}\times {\textbf {H}}_{\mathrm {eff} }+{\frac {\alpha }{M_{s}}}{\textbf {M}}\times {\frac {d{\textbf {M}}}{dt}}} これがランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式(LLG方程式)である。ここで、α>0はギルバート減衰定数呼ばれ減衰運動の強さ決定する無次元量である。 LL方程式との違いを見るために、LLG方程式両辺について磁化ベクトルMとのクロス積をとり、式を整理すると、 d M d t = − γ 1 + α 2 M × H e f f − γ α ( 1 + α 2 ) M s M × ( M × H e f f ) {\displaystyle {\frac {d{\textbf {M}}}{dt}}=-{\frac {\gamma }{1+\alpha ^{2}}}{\textbf {M}}\times {\textbf {H}}_{\mathrm {eff} }-{\frac {\gamma \alpha }{(1+\alpha ^{2})M_{s}}}{\textbf {M}}\times ({\textbf {M}}\times {\textbf {H}}_{\mathrm {eff} })} となる。この表式数学的にLL方程式等価だが、その物理的な意味は大きく異なる。LLG方程式場合減衰十分に強い(α→∞)とき、磁化時間変化緩やかになる(dM/dt→0)。一方LL方程式場合、λ→∞とすると磁化時間変化急激になる(dM/dt→∞)。これより、LLG方程式減衰十分に強い現象記述する際にも有用な式であり、LL方程式減衰寄与比較小さ現象に対してのみ有用な式であることが分かる

※この「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の解説は、「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の解説の一部です。
「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」を含む「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の記事については、「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の概要を参照ください。


ランダウ・リフシッツ・ギルバート方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/07 16:47 UTC 版)

マイクロ磁気学」の記事における「ランダウ・リフシッツ・ギルバート方程式」の解説

ランダウ・リフシッツ・ギルバート方程式は磁化運動方程式である。有効磁場周り磁化ラーモア歳差運動と、磁性系と環境との間の相互作用により生じ減衰組み合わせた運動記述するこの方程式いわゆるギルバート形式」(もしくは形式)は次のように書き下される。 ∂ m ∂ t = − | γ | m × H e f f + α m × ∂ m ∂ t {\displaystyle {\frac {\partial {\boldsymbol {m}}}{\partial t}}=-|\gamma |{\boldsymbol {m}}\times {\boldsymbol {H}}_{\mathrm {eff} }+\alpha {\boldsymbol {m}}\times {\frac {\partial {\boldsymbol {m}}}{\partial t}}} ここで、γ は電子磁気回転比、α はギルバート減衰定数である。 上記形式次の「ランダウ・リフシッツ形式」(もしくは形式)と等価であることを数学的に示すことができる。 ∂ m ∂ t = − | γ | 1 + α 2 m × H e f f − α | γ | 1 + α 2 m × ( m × H eff ) {\displaystyle {\frac {\partial {\boldsymbol {m}}}{\partial t}}=-{\frac {|\gamma |}{1+\alpha ^{2}}}{\boldsymbol {m}}\times {\boldsymbol {H}}_{\mathrm {eff} }-{\frac {\alpha |\gamma |}{1+\alpha ^{2}}}{\boldsymbol {m}}\times ({\boldsymbol {m}}\times {\boldsymbol {H}}_{\text{eff}})}

※この「ランダウ・リフシッツ・ギルバート方程式」の解説は、「マイクロ磁気学」の解説の一部です。
「ランダウ・リフシッツ・ギルバート方程式」を含む「マイクロ磁気学」の記事については、「マイクロ磁気学」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式」の関連用語

ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのランダウ=リフシッツ=ギルバート方程式 (改訂履歴)、マイクロ磁気学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS