ラジアンを用いる理由として主張される言説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 02:33 UTC 版)
「ラジアン」の記事における「ラジアンを用いる理由として主張される言説」の解説
三角関数の微分公式などの量の間の関係を与える量方程式は単位の選び方に依らないため実際には間違いであるが、ラジアンを用いる理由として、Lang(Short Calculus)のように、しばしば三角関数の多くの公式が簡潔に書けるようになるからであるという主張がされる。三角関数の微分公式やその他の多くの公式の係数を決めるのは単位の選択ではなく、角度という量の定義である。 一般角の概念を用いて三角関数を定義するときは、角度の単位にラジアンを用いるのが普通である。その理由は、弧度法を採用することで、三角関数の導関数の公式の一つ ( sin x ) ′ = cos x {\displaystyle (\sin x)^{\prime }=\cos x} (1) を始めとして、多くの公式が簡潔に書けるようになるからである。 度数法を採用する場合、次のように考えることができる。各実数 θ に対して、半径 r の円周上の点 P が θ ° 回転したときの座標を (x, y) とし、sin* θ = y / r、cos* θ = x / r とする。こうして、別の三角関数 sin* : ℝ→[-1,1]、cos* : ℝ→[-1,1] が定義される。そのとき sin ∗ θ = sin π 180 θ , cos ∗ θ = cos π 180 θ {\displaystyle \sin ^{*}\theta =\sin {\frac {\pi }{180}}\theta ,\quad \cos ^{*}\theta =\cos {\frac {\pi }{180}}\theta } (2) が成り立つ。その導関数は、(1)、(2) と合成関数の微分法より ( sin ∗ x ) ′ = ( cos π 180 x ) ⋅ ( π 180 x ) ′ = π 180 cos ∗ x {\displaystyle {\begin{aligned}(\sin ^{*}x)^{\prime }&=\left(\cos {\frac {\pi }{180}}x\right)\cdot \left({\frac {\pi }{180}}x\right)^{\prime }\\&={\frac {\pi }{180}}\cos ^{*}x\end{aligned}}} となり、定数倍のズレが生ずる。
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