ユダヤ人移送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/03 17:05 UTC 版)
ゲットーの住民を絶滅収容所や強制収容所へ移送するようドイツ当局から評議会に命令が来るようになると、評議会からも命令を拒否する者が多く出た。ユダヤ教の聖典『タルムード』は異教徒から「お前たちの仲間の一人を我々に差し出せ。我々はその人間を殺す。出さなければ、お前たち全員を殺す。」と脅された時には、一人を差し出さずに全員が殺されるべきであると説いていた。ルヴフ・ゲットーのユダヤ人評議会議長ヨーゼフ・パルナスはドイツ当局から数千人のゲットー住民の移送を求められたが、拒否してドイツ当局によって銃殺刑に処せられている。ルブリン地区のボルゴラジ・ゲットーの評議会員たちも住民の引き渡しを拒否して銃殺された。ワルシャワ・ゲットーのチェルニャクフは移送命令書にサインができず、青酸カリを飲んで自殺した。しかし他方で移送に協力した評議会も多くあり、ウッチ・ゲットーの評議会議長ルムコフスキーやヴィリニュス・ゲットーの評議会議長ヤクプ・ゲンスはゲットー住民の移送を断行した。 ドイツ当局によってゲットーが最終的に解体されるとユダヤ人評議会も解散させられた。以降は評議会メンバーも特別扱いはされず、他のゲットー住民たちと同様、絶滅収容所や強制収容所などへ移送されていき、多くは収容所内で非業の最期を迎えた。
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