マーナハンの状態方程式
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マーナハンの状態方程式(マーナハンのじょうたいほうていしき、英: Murnaghan equation of state)は、物体の体積と加えられた圧力との関係を表す状態方程式である。この方程式は、地球科学や衝撃物理学において、物質が高圧条件下でどのように振る舞うかをモデル化するために使用される多くの状態方程式の1つである。1944年にジョンズ・ホプキンス大学のフランシス・ドミニク・マーナハンによって提案され[1]、固体が圧縮されるほどさらに圧縮することが難しくなるという実験的事実を反映している。
この方程式は、特定の仮定のもとで連続体力学の方程式から導出される。調整可能な2つのパラメータ、すなわち体積弾性率
マーナハンの状態方程式
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「状態方程式 (熱力学)」の記事における「マーナハンの状態方程式」の解説
固体における状態方程式としては、バンド計算などで利用されるマーナハン (Murnaghan) の状態方程式 E tot ( V ) = B V B ′ ( B ′ − 1 ) [ B ′ ( 1 − V 0 V ) + ( V 0 V ) B ′ − 1 ] + E tot ( V 0 ) {\displaystyle E_{\text{tot}}(V)={\frac {BV}{B'(B'-1)}}\left[B'\left(1-{\frac {V_{0}}{V}}\right)+\left({\frac {V_{0}}{V}}\right)^{B'}-1\right]+E_{\text{tot}}(V_{0})} が有名である。Etot は系の全エネルギー、B は体積弾性率、B' は体積弾性率の圧力の微分 B ′ = ∂ B / ∂ P {\displaystyle B'=\partial B/\partial P} 、V0 は平衡格子定数での系の体積、Etot(V0)は平衡格子定数での全エネルギーである。この式で、V = V0 において、右辺括弧内がゼロになり、Etot(V0)となる。 上式は、全エネルギーと体積との関係式であるが、マーナハンの式には圧力と体積との関係式、 P ( V ) = B B ′ [ ( V 0 V ) B ′ − 1 ] {\displaystyle P(V)={\frac {B}{B'}}\left[\left({\frac {V_{0}}{V}}\right)^{B'}-1\right]} がある。このような固体における圧力‐体積などの関係式(状態方程式)にはいくつか派生型が存在する。マーナハンの式は指数関数を含むため、取り扱いが難しい。そのため応用上問題の無い範囲に近似を行い、多項式で展開し直したバーチ・マーナハン(Birch-Murnaghan)の式がよく使われる。
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