マリア・スラティナル=ニストゥールとは? わかりやすく解説

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マリア・スラティナル=ニストゥール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/11 08:58 UTC 版)

マリア・スラティナル・ニストール(Maria Slătinaru-Nistor, 1938年3月25日 - )は、ルーマニアソプラノ歌手

マリア・スラティナル、マリア・ニストールまたはマリア・ニストール・スラティナルとも。ルーマニア北東部のヤシ出身。

経歴

生地のヤシ音楽院(現、ジョルジュ・エネスク芸術大学)でフロリカ・マリーズに師事。1967年に同音楽院を卒業後、ブカレスト国立音楽大学でアルタ・フロレスクに師事した。この間、1967年のジョルジェ・エネスク国際コンクールの声楽部門の5位入賞、1969年オランダスヘルトーヘンボスで開催された国際声楽コンクール(IVC)で優勝している。

1969年にブカレスト国立音楽大学を卒業直後から、ブカレストのルーマニア国立歌劇場に所属し、同年ヴェルディの「ドン・カルロ」にエリザベッタ役でデビューした。以降1990年まで同歌劇場を代表するプリマ・ドンナとして活躍した。デビュー直後のプッチーニの「トゥーランドット」の題名役での驚異的な歌唱[1]など、ドラマティックな役柄を得意とした。

1990年代からは後進の指導も開始し、ブカレスト国立音楽大学で2013年まで教鞭を取った。

ルーマニア国外での活動

1973年10月にボローニャドヴォルザークの「スターバト・マーテル」のソリストで出演しているが、1970年後半から西ドイツをはじめとする歌劇場での活躍が始まった。1980年代に入ると、イタリアの大歌劇場が加わり、更にはパリ・オペラ座メトロポリタン歌劇場へデビューするなど、世界的なソプラノ歌手として活躍した。

1977年2月ベルリン・ドイツ・オペラに「トスカ」の題名役で出演

1979年5月バイエルン国立歌劇場に「アイーダ」の題名役で出演

1980年2月ジュネーブ大劇場に「さまよえるオランダ人」のゼンタ役で出演。(ホルスト・シュタイン指揮の公演はビデオでも発売された)

1981年3月ヴェネツィアフェニーチェ劇場に、プッチーニの「西部の娘」のミンニーで出演

1982年3月25日にパリ・オペラ座にプッチーニの「トスカ」の題名役でデビュー。指揮は小澤征爾キリ・テ・カナワギネス・ジョーンズとのトリプル・キャストであった。同年6月にも「外套」にジョルジェッタ役で出演。

1986年11月11日にメトロポリタン歌劇場にプッチーニの「トスカ」の題名役でデビュー。

レパートリー

レパートリーは、プッチーニの「トゥーランドット」の題名役とリュー、「トスカ」の題名役、「ラ・ボエーム」のミミ、「マノン・レスコー」の題名役、「西部の娘」のミンニー、「外套」のジョルジェッタ、ヴェルディのアイーダ、「運命の力」と「イル・トロヴァトーレ」のレオノーラ、「ドン・カルロ」のエリザベッタ、ポンキエッリの「ラ・ジョコンダ」の題名役、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」のサントゥッツァ、ジョルダーノの「アンドレア・シェニエ」のマッダレーナなどのイタリア・オペラを中心にしている。

ドイツオペラでは、ベートーヴェンの「フィデリオ」の題名役、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」のゼンタ、「ローエングリン」のエルザ、「ワルキューレ」のジークリンデ、プフィッツナーの「哀れなハインリヒ」のヒルデを歌っている(1982年のケルンでの上演時の指揮は若杉弘)。 フランス・オペラでは、グノーの「ファウスト」のマルグリートがレパートリーとなる。

ルーマニアのオペラでは、エネスコの「エディプス王」、パスカル・ベントユの「ハムレット」、エミール・レレスクの「エカテリーナ・テオドロウ」を歌っている。

脚注

参考文献

https://www.ziaruldeiasi.ro/stiri/soprana-maria-slatinaru-nistor-doctor-honoris-causa-la-universitatea-de-arte-a-george-enescua-din-iasi--142876.html

https://operanb.ro/spectacol-aniversar-dedicat-sopranei-maria-slatinaru-nistor/




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