ホフマン窯とは? わかりやすく解説

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ホフマン‐がま【ホフマン窯】

読み方:ほふまんがま

煉瓦(れんが)焼成窯の形式の一。多数焼成室を環状配置し、順に火を入れていくことで搬入から乾燥焼成搬出までを連続して行うことができる。日本にも明治時代導入されそのうち数基が遺構として残る。名称は、考案したドイツ人技師の名から。ホフマン式輪窯(わがま)。


ホフマン窯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/26 08:43 UTC 版)

旧下野煉化製造会社のホフマン窯

ホフマン窯(-がま)は煉瓦を焼くための施設である。ホフマン式輪窯とも。ドイツ人技師ホフマン(Friedrich Hoffman)が考案し、1858年に特許を取得した。

概要

フリードリヒ=ホフマン(1818-1900)

通常の煉瓦窯では、焼成前の(生の)煉瓦を入れて焼きあげ、熱が下がってから煉瓦を取り出し、また生の煉瓦を入れ…といった工程で、火を点けて消し、を繰り返すことになる。ホフマン窯では、窯を環状(円形、楕円形等)に配置して、連続して煉瓦を製造できるようにしたものである。窯の内部に生の煉瓦を積み重ね、上部からコークスを入れて焼成する。一つの区画で焼き上がると、また次の区画に火を移して焼成を繰り返してゆく。こうした連続工程により煉瓦の大量生産ができるようになった[1]

日本への導入

明治初期の銀座煉瓦街建設の際、お雇い外国人トーマス・ウォートルスが小菅の東京集治監(現在の東京拘置所の敷地)にホフマン窯3基[2]を設け、大量の煉瓦を製造した。以後、各地に建設され、日本の近代化を支えてきたが、現在稼働しているものはない。 よく遺構が残っているのは4基ほどで、貴重な遺構になっている。

このほか、遺構の一部が残っているものもある。

野木町煉瓦窯

2016年(平成28年)に野木町で修復したホフマン窯が公開された。交流施設「野木ホフマン館」が隣接する。野木町は町民の寄付によって2011年から修復工事をおこなっていた。完全な形で国内に残るのは野木町のみ。1890年(明治23年)に建造され、1979年(昭和54年)に文化財に指定された[3]。最盛期には年間400万トンの煉瓦が製造された。窯が16室あるため、建物と屋根は正十六角形である。煙突は八角形。窯の中の高さは3メートル弱。1971年(昭和46年)に操業を終了した[4]

脚注

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  1. ^ 『野木町煉瓦窯 旧下野煉瓦製造会社煉瓦窯』 (PDF)”. 野木町. p. 3. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月24日閲覧。
  2. ^ 現行東京集治監規程類纂p. 300 - 東京集治監. (1884年9月5日)、2016年7月27日閲覧。
  3. ^ 読売新聞栃木版 2016年5月11日 31面掲載。
  4. ^ 読売新聞栃木版 2016年5月15日 34面掲載。

関連項目

外部リンク

  • ホフマン窯図面[1](埼玉県立文書館)

ホフマン窯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 01:57 UTC 版)

煉瓦」の記事における「ホフマン窯」の解説

煉瓦を焼くために築かれたホフマン窯が日本国内に4か所ほど残っている。貴重な産業遺構である(栃木県埼玉県等)。

※この「ホフマン窯」の解説は、「煉瓦」の解説の一部です。
「ホフマン窯」を含む「煉瓦」の記事については、「煉瓦」の概要を参照ください。

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