ヘジテーションロック式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 01:17 UTC 版)
「ブローバック」の記事における「ヘジテーションロック式」の解説
ヘジテーションロックは、ピダーセンが特許を取得した遅延方式である。 独立して可動するブリーチ部(薬莢底部を支え薬室を閉鎖する)を遊底内に備える構造となっており、ブリーチ部は後方がカーブした断面となっており、このカーブは遊底内部と嵌合していると同時に、ブリーチ部の下部は下方に突起している。発射直後の遊底とブリーチ部は一体のまま後退するが、2mmほど後退したところでブリーチ部の下部にある突起がレシーバとぶつかり、いったん停止、固定させられる。この時、薬室から薬莢が2mmだけ飛び出すが、薬莢側面は薬室に支持され露出している薬莢基部(ケースヘッド)は厚いため、薬莢が破けてしまう危険は発生しない。ブリーチ部が固定されるまでに慣性を得た遊底はブリーチ部を置き去りにしてさらに5mmほど後退する。その後ブリーチ部後部は遊底内のカムにより上昇し、レシーバーから突起部分も外れ、ブリーチ部はレシーバから解放される。この時点で銃腔内の発射ガスは安全域まで低下している。その後、ブリーチ部と遊底は共に後退する。これはSKSやMP43のティルティング・ボルト閉鎖機構の動作に似ているが、ブリーチ部と遊底を2mmだけ一緒に後退させて、遊底に慣性を与える発想が独特である。 ヘジテーションロックを採用して市販された製品は、Remington 51のみである。Remington社は同方式を採用し.45ACP弾を使用するRemington 53の試作品をM1911にかわる制式拳銃候補として軍に提出する事を表明した。しかし、軍がM1911の大量製造をRemington社に発注する見返りに、同社はRemington 53の提出を取り止めるという取引が行われ、軍はM1911に替えて改良型のM1911A1を発注し、Remington 53が製品化される事は無かった。 採用例: Remington 51
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