ヘイマエイ島とは? わかりやすく解説

ヘイマエイ‐とう〔‐タウ〕【ヘイマエイ島】

読み方:へいまえいとう

Heimaeyアイスランド南西沖にあるベストマン諸島の主島。アイスランド本土から約25キロメートル位置する中心地天然良港擁すベストマンナエイヤル。1973年噴火起こり粘性が低い玄武岩質の溶岩流がベストマンナエイヤルを襲ったバードウオッチング名所としても知られるヘイマイエ島ヘイマ島

ヘイマエイ島の画像
撮影・ChristineThomas http://os7.biz/u/ZjUzD

ヘイマエイ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 05:00 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ヘイマエイ島
所在地 アイスランド
所在海域 大西洋
座標 北緯63度26分 西経20度16分 / 北緯63.433度 西経20.267度 / 63.433; -20.267
面積 13.4 km²
人口 4,100人(2005年12月)
ヘイマ
エイ島
プロジェクト 地形
テンプレートを表示

ヘイマエイ島あるいはヘイマイエ島ヘイマ島アイスランド語: Heimaey [ˈheiːmaˌei] 「家のある島」の意[1])は、アイスランドに属するの1つである。ヴェストマン諸島で唯一の有人島。人口4,100人。アイスランドで水揚高1位を誇る漁港を擁し、その輸出高はアイスランド全体の12パーセントにもなる。

現代のポンペイ

1973年1月23日、島の東部にある教会に付属していた農場に割れ目火口が開き、スコリアを噴出すると共に溶岩も流れ始めた。割れ目噴火はすぐに1つの火口に集中するようになり、後にエルトフェットルと命名される火山を形成した。溶岩流は時速数メートルの速さで町へ、そして島の経済に大きな役割を果たしている漁港の方向へと進んできた。この漁港を守るべく、島民は消防ポンプで海水を溶岩流に放水した。民家などは幾つも溶岩に飲み込まれたものの、この放水によって漁港に達する前に溶岩は冷えて固まり、溶岩は止まった[2]。しかし、全島民がアイスランド本土への疎開を余儀なくされた。なお、この時アイスランドはイギリスとのタラ戦争の最中であったのだが、アイスランド沿岸警備隊アイスランド語版英語版は、一旦紛争行為を中断してここの救援に回ったことで知られる。なお、この噴火による人的被害は死者1名のみで、ドラッグ・ストアに侵入して薬を盗もうとした男性1名である。死因は、有毒ガスを吸ったことによる窒息死。溶岩流は全家屋の1/3を飲み込み、町は壊滅状態となった[3][4]

左端がエルトフェットル火山
街並
解説図

この事件は「現代のポンペイ」と称され[5]、ハワイのキラウエア火山と並んで、居住区の目の前で起こった噴火として有名となった。

噴火は半年後の7月3日に終息し、島民の必死の復興作業が続けられた結果、現在は元の生活を取り戻している。

交通

アイスランドの首都、レイキャヴィークから空路30分。または、ソルラゥクスホプンからの船便で1時間45分。

脚注

  1. ^ 浅井辰郎、森田貞雄 『アイスランド地名小辞典』(帝国書院、1980年)。Heimaey < heima「家の」+ ey」。
  2. ^ 「地球の歩き方」編集室 『アイスランド』 p.97 ダイヤモンド・ビッグ社 2009年11月13日発行 ISBN 978-4-478-07087-1
  3. ^ 島村英紀 『地震と火山の島国 極北アイスランドで考えたこと』 第6章 岩波書店 ISBN 4005003699
  4. ^ 竹内均 『燃える島 アイスランド紀行』 p155-157 徳間書店 ISBN 4195994772
  5. ^ 小澤実・中丸禎子・高橋美野梨『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章』明石書店、2016年、76頁。ISBN 978-4-7503-4308-2

関連項目




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヘイマエイ島」の関連用語

ヘイマエイ島のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヘイマエイ島のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヘイマエイ島 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS