プロプスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/16 07:29 UTC 版)
ホテルの奥に入るには、エレベータ脇のガラスの箱に詰めていた警備員に、「プロプスク」と呼ばれる通行証を提示する必要があった。コミンテルン関係者のものは赤い表紙で、その他の宿泊者や職員のものは灰色であった。顔見知りの住人であっても、プロプスクが提示されないかぎり、警備員はその人物を通さなかった。 訪問者は、ホールの右奥にある「ストル・プロプスコフ」へ行き、この小部屋の窓口にいる係員に訪問先を告げる必要があった。係員の女性は、訪問者の身分証を預かり、電話で訪問先の都合を問い合わせ、問題がなければ、複写式の用紙に、両者の指名、部屋番号、日時を記入した。身分証が返却されるのは、訪問先のサインのある用紙と引き換えにであった。 抜け道がないわけではなかった。ゴーリキー通りに面した正面玄関では常にプロプスクの提示が要求されたが、ネミロヴィチャ街に面した裏口ではときたまでしかなく、しかもそこは開けっ放しであることが珍しくなかった。
※この「プロプスク」の解説は、「ホテル・ルックス」の解説の一部です。
「プロプスク」を含む「ホテル・ルックス」の記事については、「ホテル・ルックス」の概要を参照ください。
- プロプスクのページへのリンク