フデイシの幼体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/09 02:03 UTC 版)
フデイシは有機質の殻を持つ群体性生物の化石であり、やはりオルドビス紀からデボン紀に産する。その生活環や繁殖様式については未知の部分が多い。キチノゾアは、フデイシの繁殖後に新しい群体が形成されるまでの間の段階(pre-sicula期)のものであると提案されている。フデイシとキチノゾアが共に産出し一方の産出量がもう一方の産出量を反映していることも、この仮説の根拠とされている。両者の化石は類似した化学組成を持つが、これは仮説の賛同者と批判者の両者から注目されている。仮説の賛同者は、類似した化学組成を有することはこれらが関連している証拠であると主張する。しかし批判者は、フデイシを母岩から抽出する際の処理によって、偶然にも類似した化学組成を持つキチノゾアが同時に抽出されてしまっているだけだと主張する。批判者の主張に従えば、両者が同時に産出するように見えるのは、人為的に化石を処理することで発生する単なるアーティファクトにすぎないということになる。また、デボン紀中期を過ぎるとフデイシの産出は稀になるが、キチノゾアは産出し続けるということもこの仮説の難点である。
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