フェルミエネルギーでの占有数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 17:30 UTC 版)
「フェルミエネルギー」の記事における「フェルミエネルギーでの占有数」の解説
50 K ≤ T ≤ 375 Kでの様々な温度におけるμ = 0.55 eVでのフェルミ分布 f ( E ) {\displaystyle f(E)} vs. エネルギー E {\displaystyle E} 熱力学的平衡にある理想フェルミ気体において、エネルギーが E である準位を占有するフェルミ粒子の個数の統計的期待値は、次のフェルミ分布で表される。 f ( E ) = 1 e ( E − μ ) / k T + 1 {\displaystyle f(E)={\frac {1}{\mathrm {e} ^{(E-\mu )/kT}+1}}} ここで T は温度、k はボルツマン定数、 μ は化学ポテンシャルである。分布のプロットを右図に示す。f が 1 に近づくほど、この状態が占有される確率は高くなる。f が 0 に近づくほど、この状態が空になる確率は高くなる。 絶対零度(基底状態)では、フェルミ分布は階段関数になり、その不連続点がフェルミエネルギーである。 lim T → 0 f ( E ) = { 0 ( E > μ ) 1 / 2 ( E = μ ) 1 ( E < μ ) {\displaystyle \lim _{T\to \ 0}f(E)={\begin{cases}0&(E>\mu )\\1/2&(E=\mu )\\1&(E<\mu )\\\end{cases}}} フェルミエネルギー EF にエネルギー準位が存在する場合、 EF は絶対零度での占有数の統計的期待値が1/2になるエネルギー準位に等しく、「絶対零度での電子の占有確率が1/2になるエネルギー」とも言われる。フェルミ準位に状態があれば (ε = µ)、その状態は50%の占有される確率を持つ。 またフェルミエネルギー EF にエネルギー準位が存在する場合、フェルミエネルギーより高いエネルギー準位の絶対零度での占有数が0であることがわかる。よってフェルミエネルギーは「絶対零度におけるフェルミ粒子によって占められた準位のうちで最高の準位のエネルギー」とも言える。ただしフェルミエネルギーに準位が存在しない場合、最も高いエネルギーを持つ粒子のエネルギーとフェルミエネルギーは一致しなくなる。半導体や絶縁体の場合がこれに相当する。
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