フェルミの擬ポテンシャル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/22 16:34 UTC 版)
「擬ポテンシャル」の記事における「フェルミの擬ポテンシャル」の解説
エンリコ・フェルミは、原子核による自由中性子の散乱を記述するために擬ポテンシャル V {\displaystyle V} を導入した。 散乱体から遠く離れた中性子の波動関数は、球面波で表されるs 波の散乱波と入射平面波との和で表されると仮定する。よってポテンシャルは動径 r {\displaystyle r} の関数で与えられる。 V ( r ) = 2 π ℏ 2 m b δ ( r ) {\displaystyle V(r)={\frac {2\pi \hbar ^{2}}{m}}b\,\delta (r)} ここで ℏ {\displaystyle \hbar } はプランク定数を 2 π {\displaystyle 2\pi } で割ったもの、 m {\displaystyle m} は質量、 δ ( r ) {\displaystyle \delta (r)} は ディラックのデルタ関数、 b {\displaystyle b} は中性子散乱長、 r = 0 {\displaystyle r=0} は原子核の重心である。 この δ {\displaystyle \delta } 関数のフーリエ変換によって中性子の形状因子が得られる。 以上は1つの原子核による中性子の散乱についてである。散乱体が多体系である場合のフェルミ擬ポテンシャルは次のように書ける。 V n = ∑ n 2 π ℏ 2 m b n δ ( r − R n ( t ) ) {\displaystyle V_{n}=\sum _{n}{\frac {2\pi \hbar ^{2}}{m}}b_{n}\delta (r-R_{n}(t))}
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