ピュートー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 18:13 UTC 版)
大祭が開催されたデルポイの地は、古くはピュートーと呼ばれ、そこには大地女神ガイアの代理、または女神自身とも考えられる大蛇ピュートーンが住み、地域を支配していた。ピュートーには、ガイアまたはテミス女神の託宣所があり、ピュートーンが悠久の過去より、これを管理していたとされる。しかし新たに訪れた神アポローンがピュートーンと戦い、これを打破して、聖地の支配権と託宣所を自分のものとした。 ピュートーすなわちデルポイの地は、アポローンの聖地で託宣所となった。こうして、ピューティアーと呼ばれる巫女が、大地より吹き出す煙を吸うことで恍惚状態になり、アポローン神の神託を告げた。この託宣は、ドードーナにおけるゼウス神の神託と同程度、あるいはそれ以上に有名で権威あるものとなり、ペルシア戦争の際に、アテーナイ市はいかなる対応をすればよいのか、神託に頼ったことでも有名である。 ピューティア祭は、死せる大蛇ピュートーンに対する葬礼競技より始まったともされる。ピュートーンの託宣を担っていた巫女たちは、そのままアポローンの神託を伝える巫女としてその地位に留まり、これがデルポイの神託へと続いて行った。
※この「ピュートー」の解説は、「ピューティア大祭」の解説の一部です。
「ピュートー」を含む「ピューティア大祭」の記事については、「ピューティア大祭」の概要を参照ください。
- ピュートーのページへのリンク