北米大陸の東部の比較的高さが低い地域に生育している樹種です。アパラチア山脈の南部地域では、2000m位の所まで見ることが出来ます。フロリダ州の北部にも生育しています。ときには、ほとんど純林を形作ることがあります。オハイオ河およびミシシッピイ河渓谷地域に分布するものが最も大きくなるとのことです。処によっては高さ30m、直径 3.5mになるものもあります。 ■木材 日本産のブナの木材とよく似ていて、ほとんど区別はつきません。心材と辺材の色の差はほとんどなく、心材は赤褐色を帯び、辺材は淡褐色です。重硬で、気乾比重は0.72です。肌目は精で、均一です。乾燥は、早くできますが、狂い、表面割れ、木口割れ等がでやすく、また、変色しやすいので、取り扱いに注意が必要です。腐りやすい木材ですから、湿気のあるところでの利用はさけるべきでしょう。加工はかなり容易な方ですが、鋸を噛んだり、孔あけの際に焦げたりすることがあります。釘をよく保持しますが、釘を打つ際に割れることがあります。施削性がよく、また、接着性がよいです。この類の特徴は、家具などのためによく使われる曲げ木を作るための蒸し曲げが容易に出来ることです。 ■用途 一番使われる用途は家具でしょう。木工品、器具の柄、ベニヤ、チーズボードなど多くのものがあります。いずれにしても、日本産のブナ類の木材と同じようにして利用出来ると考えてよいでしょう。 |