ビジネス上の価値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 00:18 UTC 版)
「命名規則 (プログラミング)」の記事における「ビジネス上の価値」の解説
ソフトウェアシステムやアプリケーションソフトウェアのエンドユーザーが識別子名の良し悪しを意識することはほとんどない。ソースコード上の識別子名は、通常ユーザーインターフェイスに表出することはないからである。しかし、システムを引継いでいく開発者やアナリストにとっては、識別子が適切に選定されていることで、システムが何をしているかを理解したり、さらには新たなビジネス所要に応じてソースコードをどのように修正・拡張すればよいかを判断したりすることが極めて容易となる。 例えばC言語による例として、 double a, b, c;b = 160.0;c = 1500.0;a = b * c; というコードは文法的に間違っているわけではないが、その意図・意味は見当もつかない。どのようにも解釈することができる。少なくともコメントがなければ、各変数が何を意味しているのか、計算式は何を意味しているのかが分からない。 これに対して、 double monthly_pay_jpy, hours_worked, hourly_pay_jpy;hours_worked = 160.0;hourly_pay_jpy = 1500.0;monthly_pay_jpy = hours_worked * hourly_pay_jpy; というコードは、各変数名に意味が込められていることで、たとえコメントがなくとも、少なくともシステムやアプリケーションの基本的な前後関係を理解している人には意味・意図が分かりやすくなる(monthly_pay_jpy = 月給[円]、hours_worked = 勤務時間、hourly_pay_jpy = 時給[円])。 また、各種APIや外部で開発されたサードパーティ製のライブラリを利用する場合も、適切な識別子命名規則に基づいて整理されたAPI・ライブラリのほうが、機能を類推しやすくなる(インターフェイス自体がマニュアルとなる)ため、生産性の向上にもつながる。
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