ヒトギョウチュウの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 10:16 UTC 版)
「ギョウチュウ」の記事における「ヒトギョウチュウの特徴」の解説
ヒトギョウチュウ(Enterobius vermicularis)の体長はメスの方が大きく、オスで2 mmから5 mm程度なのに対し、メスの場合は8 mmから13 mmに達する。なお、外見は乳白色でちりめんじゃこ状の形をしている。虫卵は卵型で直径40μm程度であり、通常の室内環境で数週間生存し感染性を持つ。ヒトに寄生する時は、主に盲腸に寄生する。しかし、産卵時は移動し、肛門括約筋が弛緩する睡眠中に肛門の周辺で産卵を行う。このときギョウチュウの活動や、産卵の際に分泌する粘着性物質によってかゆみが発生するため(無意識下で)掻き毟ることが多々あり、手などに付着した虫卵が撒き散らされることによって感染源や自己再感染の原因となる。虫卵はヒトが摂取すると十二指腸で孵化し、盲腸で数週間ののち成虫となる。先進国においては乳児・児童とその親に感染者が多く、感染率は10 - 20 %程度とされている。 なお、このように直接にヒトからヒトに伝播することが可能であるため、現在においても広く寄生が見られる。カイチュウ等は一旦土壌に出てから感染が行なわれるため、糞尿が野外に出る事がない現在においては感染経路が保持できず、感染率が激減しているのとは対照的である。
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