ネットワーク特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/26 03:13 UTC 版)
セキュリンのスイッチ的な活性化によって急激にかつ協調的に後期を開始させるため、セキュリンは複数の調節インプットを統合すると考えられている。これには、スイッチ的挙動をもたらすためのポジティブフィートバックを含む、いくつかのフィードバックループからなるネットワークが関与している可能性が高い。スイッチ的挙動を生み出すシグナル伝達経路として提唱されているものの1つには、セパラーゼによるCdc14の活性化があり、セキュリンの脱リン酸化と分解がもたらされる。 セキュリンのN末端の2つのリン酸化部位が変異した出芽酵母系統や、セキュリンが欠失した系統では、4番染色体と5番染色体の分離時間が大幅に長くなることが判明している。さらに、これらの変異株では野生株と比較して非常に高い誤分離率を示す。スイッチ的特性は、後期における迅速で協調的な染色体分離の開始に必要である。このことは、後期が適切に進行するためには、セキュリンによるセパラーゼの強い不活性化の後、迅速にセキュリンの分解とセパラーゼの活性化が起こることが重要であることを意味している。セキュリンとセパラーゼは後期を調節するネットワークの一員であり、想定されるネットワークの図を下に示す。
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