ドイツ中心の政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)
経済学者のポール・クルーグマンは、ドイツが欧州連合の経済政策に悪影響を及ぼしているとして以下のように批判している。クルーグマンに拠れば、欧州連合最大の経済大国であるドイツはインフレを毛嫌いし、欧州中央銀行がドイツに影響を強く受けた政策をとっていることが、欧州における低いインフレの元凶となっている。スペイン、ポルトガルなど南欧諸国はドイツなど大国との労働コスト格差を埋めるために賃金を下げざるを得ない。もちろんその格差の解消はドイツが高い人件費、すなわち高いインフレ率を許容すれば可能である。だがインフレを良としないドイツはそれを許さない。結果として、名目賃金の下方硬直性のために、それら南欧諸国の失業率は高止まりすることになる。それに加え、ドイツは1990年代のドイツの経済的価値観を他のEU加盟国に押し付け、それらの国に緊縮財政政策を強いる傾向があると、クルーグマンは述べている。また、欧州議会に権限がなく、欧州委員会が政治の決定権を握っていることから欧州連合を第四帝国と捉えることもある。
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