ドイチェ・フースバルマイスターシャフト1913-1914
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シーズン | 1913-1914 |
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優勝 | SpVggフュルト (1回目) |
試合数 | 7 |
ゴール数 | 30 (1試合平均4.29) |
得点王 | ![]() (5点) |
ドイチェ・フースバルマイスターシャフト 1913-1914 はドイツサッカー協会によって開催された第12回目のクラブチーム全国大会である。SpVggフュルトが初優勝し、1回目のドイチャー・フースバルマイスターの座に就いた[1][2][3]。
概要
VfBライプツィヒは6回目の決勝進出だが、フュルトの属する南部ドイツサッカー協会は今回で通算8回目。南部はドイツサッカーの中心地となりつつあり、第一次大戦後はさらにその地位を上げていくこととなる。しかし1914年8月から、その第一次世界大戦のために全国的スポーツ大会は中断された。ドイチェ・マイスターシャフトが再開されるのは、1919-1920シーズンからである[4]。
出場クラブ
[2] 本大会出場クラブは、地方協会王者7クラブと前回ドイツ王者、計8クラブである。ここまで首都ベルリン、北部のキール、中部のライプツィヒ、南西部のフライブルクとカールスルーエがドイツ王者を輩出してきたが、この第一次大戦前最後の大会におけるSpVggフュルトの初優勝を境に、南部のニュルンベルク・フュルト地域が新たに台頭していくことになる[5]。
クラブ | 出場資格 |
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バルティッシェ・フースバルマイスターシャフト1913-1914優勝 |
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ズュートオストドイチェ・フースバルマイスターシャフト1913-1914優勝 |
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ベルリナー・フースバルマイスターシャフト1913-1914優勝 |
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ミッテルドイチェ・フースバルマイスターシャフト1913-1914優勝 |
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前回王者 |
アルトナーFC93 | ノルトドイチェ・フースバルマイスターシャフト1913-1914優勝 |
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ヴェストドイチェ・フースバルマイスターシャフト1913-1914優勝 |
SpVggフュルト | ズュートドイチェ・フースバルマイスターシャフト1913-1914優勝 |
準々決勝
開催日: 1914年5月3日:[6]
会場:ヴァルター=ジモン=プラッツ (ケーニヒスベルク)、ヴァッカーシュタディオン・デブラホーフ (ライプツィヒ)、Preussen-Platz an der Kaiserstraße (ベルリン=マリエンドルフ)、Sportplatz an der Meisenburgstraße (エッセン)
チーム #1 | スコア | チーム #2 |
---|---|---|
ベルリナーBC | 4–0 | FCアスカニア・フォアスト |
デュイスブルガーSpV | 4–1 aet | アルトナーFC93 |
SpVggフュルト | 2–1 | |
VfBライプツィヒ (1893年) | 4–1 | SVプルシア=ザムラント・ケーニヒスベルク |
ドイツ王座防衛者VfBライプツィヒは、北東部王者プルシア=ザムラント・ケーニヒスベルクを4-1で下した。意外にも格下のケーニヒスベルクに25分マックス・ヴィルトの得点で先制を許したが、前半終了直前パウル・ペンプナーが同点ゴール。後半エドゥアルト・ペンドルフの逆転弾、アーデルベルト・フリードリヒの追加点で3-1とすると、最後は81分のペンプナーの自身二点目で締めくくった。
中部王者SpVggライプツィヒは初出場の南部王者SpVggフュルトに1-2で敗れた。ライプツィヒは36分にゲアハルト・シュルツが先制点を決めるが、フュルトは52分にドイツ系ハンガリー人選手フリゲシュ・ヴェイツ/フリッツ・ヴァイスが同点とし、83分カール・フランツが逆転の決勝ゴールを挙げた。
ブランデンブルク王者ベルリナーBCは、4-0で南東部王者アスカニア・フォルストに圧勝。前半25分からHTまでの間にエーリヒ・アルント、ヴィリ・ヘープラー、プロイスが得点し3-0とリードし、後半にはアルントが自身二点目をマークした。また、ベルリナーBCの主将を務めたのは、後に国際審判員として有名になるアルフレート・ビーアレムだった。
西部王者デュイスブルガーSpVは、延長戦の末に北部王者アルトナーFCを4-1で破った。スコアレスの前半を経て48分にアルトナーのハインツ・シッポライトに先制点を決められるが、73分ヴァルター・フィッシャーのPKで同点に追いつき、1-1のまま延長戦へ。93分にフィッシャーがまた決めて逆転すると、さらに97分アントン・ボンガルツ、106分マティアス・ブレートゲンと加点した。
準決勝
開催日: 1914年5月17日:[6]
会場:シュポルトプラッツ・ロンホーフ (フュルト)、シュポルトパルク・コンネヴィッツ (ライプツィヒ)
チーム #1 | スコア | チーム #2 |
---|---|---|
SpVggフュルト | 4–3 aet | ベルリナーBC |
VfBライプツィヒ (1893年) | 1–0 | デュイスブルガーSpV |

ベルリナーBCは、開始わずか10分でDFパウル・ヴィーゼナーが膝を怪我して負傷退場し、数的不利となるが、それでも43分からプロイスの二得点で2-0と先行した。対するフュルトは、二失点目からわずか一分後にフリゲシュ・ヴェイツが一点を返し、後半に入って62分再びヴェイシュが決めて2-2の同点に追いついた。その後スコアは動かず延長戦へ。103分にフュルトのカール・フランツが逆転ゴールを決めるが、119分にはベルリナーBCのプロイスがハットトリックを達成し、3-3の同点に。最後はカール・フランツが146分にこの日自身二点目となる決勝ゴール、激戦にピリオドを打った。
対照的にもうひとつの準決勝戦はロースコアの接戦となり、VfBライプツィヒが41分のヨハネス・フェルカースの決勝点でデュイスブルガーSpVを振り切った。
決勝
ドイチャーマイスターのVfBライプツィヒは、第一次世界大戦前の12大会中6回目の決勝進出を果たした。先制したのはチャレンジャーのSpVggフュルト、前半17分にカール・フランツが決めて1-0リードでHTに入る。さらにライプツィヒは前半42分にパウル・ミヒェルが負傷退場して数的不利となるが[7]、それでも後半に入り83分にエドゥアルト・ペンドルフが同点ゴールを決め、1-1のまま試合は延長戦に突入した。ルール上、ゴールデンゴールが決まるか主審が打ち切るまで、延々と試合は続く[7]。
104分フュルトはフリゲシュ・ヴェイツが勝ち越し点を決めるが、ライプツィヒも四分後クルト・ヘッセのゴールで再度追いつく。138分フュルトはハンス・シュミットが退場して10人対10人となるが、153分にカール・フランツが準決勝に続く決勝ゴールを叩き込んで、3-2で優勝した[7]。既にカールスルーアーFVで1910年に優勝を経験している、イングランド人監督ウィリアム・タウンリーとユリウス・ヒルシュにとっては、二度目のドイチェ・マイスターシャフト制覇である。
SpVggフュルトのマイスターマンシャフト
SpVggフュルト | |
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後列左から:カール・ブルガー, フリッツ・ラング, カール・フランツ, オットー・ミュッツェ, ハインリヒ・イーゼンマン, ゲオルク・ヴンダーリッヒ, アドルフ・リーベ, ユリウス・ヒルシュ, ハンス・シュミット, ウィリアム・タウンリー監督と息子のジミー・タウンリー。
前列左から:フリゲシュ・ヴェイツ, ミヒャエル・パハトナー, ゲオルク・ヴェルヘーファー
得点ランキング
選手 | クラブ | 出場数 | 得点数 | |
---|---|---|---|---|
1. | ![]() |
SpVggフュルト | 3 | 5 |
2. | ![]() |
ベルリナーBC | 2 | 4 |
3. | ![]() |
SpVggフュルト | 3 | 4 |
4. | ![]() |
ベルリナーBC | 2 | 2 |
![]() |
デュイスブルガーSpV | 2 | 2 | |
6. | ![]() |
VfBライプツィヒ | 3 | 2 |
![]() |
VfBライプツィヒ | 3 | 2 | |
8. | ![]() |
アルトナーFC93 | 1 | 1 |
![]() |
SpVgg1899ライプツィヒ | 1 | 1 | |
![]() |
SVプルシア=ザムラント・ケーニヒスベルク | 1 | 1 | |
11. | ![]() |
デュイスブルガーSpV | 2 | 1 |
![]() |
デュイスブルガーSpV | 2 | 1 | |
![]() |
ベルリナーBC | 2 | 1 | |
14. | ![]() |
VfBライプツィヒ | 3 | 1 |
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VfBライプツィヒ | 3 | 1 | |
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VfBライプツィヒ | 3 | 1 |
脚注
注釈
出典
- ^ Dinant Abbink (2023年4月27日). “Germany - Championships 1902-1945” (英語). RSSSF. 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b “Germany 1913/14” (英語). RSSSF. 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b “Deutsche Meisterschaft 1913/1914 » Finale” (ドイツ語). weltfussbal.de. 2025年2月5日閲覧。
- ^ リヒテンベルガー/秋吉 2005, 478頁
- ^ リヒテンベルガー/秋吉 2005, 478-479頁
- ^ a b “Deutsche Meisterschaft 1913/1914 » Spielplan” [German championship 1913–14] (German). Weltfussball.de. 2016年1月12日閲覧。
- ^ a b c リヒテンベルガー/秋吉 2005, 58頁
参考文献
- ウルリッヒ・ヘッセ・リヒテンベルガー 秋吉香代子訳 (2005). ブンデスリーガ ドイツサッカーの軌跡. バジリコ株式会社. ISBN 4-901784-92-7
- Geschichte des deutschen Fußballsports. Band III der Schriftenreihe des Deutschen Fußball-Bundes. Carl Koppehel, Verlag Wilhelm Limpert, Frankfurt 1954, 4. erweiterte Auflage ohne Jahresangabe.
- Deutsche Meisterschaft (1903-1923), IFFHS-Magazin Libero Nr. 36. International Federation of Football History & Statistics, Wiesbaden, II. Quartal 2002.
- Das Goldene Buch des Deutschen Fußballs. Hardy Grüne, Dietrich Schulze-Marmeling, Verlag Die Werkstatt, Göttingen 2015.
外部リンク
- ドイチェ・フースバルマイスターシャフト1913-1914のページへのリンク