ドイチェ・フースバルマイスターシャフト1912-1913
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シーズン | 1912-1913 |
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優勝 | VfBライプツィヒ (3回目) |
試合数 | 6 |
ゴール数 | 26 (1試合平均4.33) |
得点王 | ![]() (5点) |
ドイチェ・フースバルマイスターシャフト 1912-1913 はドイツサッカー協会によって開催された、第11回目のクラブチーム全国大会である。VfBライプツィヒが優勝し、3回目のドイチャー・フースバルマイスターの座に就いた[1][2][3]。VfBライプツィヒは、ドイツ王者回数の最多記録保持クラブ、所謂「レコードマイスター」となった。敗れたデュイスブルガーSpVは、西部ドイツサッカー協会所属クラブとして初めて決勝の舞台を経験した。また、今回の本大会出場クラブはすべて過去に出場経験があり、初出場クラブがゼロだったが、これも初めての事である。
出場クラブ[2]
各地域協会の王者6クラブと前回王者、計7クラブが出場した。本来あと1クラブいるのだが、北部ドイツサッカー協会王者、アイントラハト・ブラウンシュヴァイクは不参加だった。問題の原因はノルトドイチェ・マイスターシャフトの予選ブロックの一つ、ハンブルク=アルトナで起こった紛争だった。このブロックの勝者決定を巡り抗議合戦が繰り広げられたため、北部マイスターシャフトは予定通りに終わらず、そのまま北部代表の欠場が決まった。ようやく北部王者が決定したのは、ドイチェ・マイスターシャフト決勝戦の二週間後である。時すでに遅く、今季の北部王者ブラウンシュヴァイクは全国に出られなかったが、一方でホルシュタイン・キールは前回王者枠により出場した。
クラブ | 出場資格 |
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バルティッシェ・フースバルマイスターシャフト1912-1913優勝 |
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ズュートオストドイチェ・フースバルマイスターシャフト1912-1913優勝 |
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ベルリナー・フースバルマイスターシャフト1912-1913優勝 |
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ミッテルドイチェ・フースバルマイスターシャフト1912-1913優勝 |
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前回王者 |
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ヴェストドイチェ・フースバルマイスターシャフト1912-1913優勝 |
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ズュートドイチェ・フースバルマイスターシャフト1912-1913優勝 |
準々決勝
開催日: 1913年4月13日・20日:[4]
会場:ウニオン=プラッツ (ベルリン=マリエンドルフ)、FFV-Platz Roseggerstraße (フランクフルト・アム・マイン)、Askania-Platz Heidestraße (フォルスト)
チーム #1 | スコア | チーム #2 |
---|---|---|
デュイスブルガーSpV | 2–1 | シュトゥットガルター・キッカース |
VfBライプツィヒ (1893年) | 5–0 | FCアスカニア・フォアスト |
ベルリナーTuFCヴィクトリア89 | 6–1 | SVプルシア=ザムラント・ケーニヒスベルク |
ホルシュタイン・キールは不戦勝で準々決勝に進出した。
ブランデンブルク王者ベルリナー・ヴィクトリアは、北東部王者プルシア=ザムラント・ケーニヒスベルクと対戦。前半ヴィリ・ヴォアピツキーのゴールで先制し、相手GKブルーノ・ノイマンのオウンゴールで加点。さらに42分エーリヒ・アーント、43分にヴォアピツキーが立て続けに決めて、4-0リードでハーフタイムに入った。後半に入り53分ヴォアピツキーがハットトリックを達成し、5-0に。67分ケーニヒスベルクは漸くクルーガーが一点を返すも、三分後にエーリヒ・アーントが自身二点目を決め、そのまま6-1で終了。ヴィクトリアが大勝した。
南部王者シュトゥットガルター・キッカーズと西部王者デュイスブルガーSpVの試合は、後者が1-2で勝利した。前半は0-0で折り返し、70分・77分にデュイスブルクはヘルマン・シュタインハウアーの連続得点で2-0とリード。キッカーズはルドルフ・アホールンが84分に一点を返すが、届かなかった。
南東部王者FCアスカニア・フォルストは、中部王者VfBライプツィヒに0-5で大敗した。パウル・ペンプナーが最初の三点と五点目 (85分)を叩き出し、四点目 (79分)を決めたのはヨハネス・フェルカースだった。
前回王者ホルシュタイン・キールは準々決勝で北部王者と対戦予定だったが、北部王者が大会開幕までに決まらなかったので、キールが不戦勝でベスト4に進んだ。
準決勝
開催日: 1913年4月27日:[4]
会場:Sportplatz an der Meisenburgstraße (エッセン)、Olympia-Platz an der Marienbrücke (ライプツィヒ)
チーム #1 | スコア | チーム #2 |
---|---|---|
デュイスブルガーSpV | 2–1 | FVホルシュタイン・キール |
VfBライプツィヒ (1893年) | 3–1 | ベルリナーTuFCヴィクトリア89 |
デュイスブルガーSpVは、2-1で前回王者ホルシュタイン・キールを撃破。17分にキールのフーゴー・フィックに先制点を許すが、35分にアントン・ボンガーツが振り出しに戻し、60分にハインリヒ・フィッシャーが逆転ゴールを決めた。
VfBライプツィヒは前半22分にハンス・ドルゲ、同26分にゲオルク・リヒターが決めて2-0とリードした。ベルリナー・ヴィクトリアもヘルムート・レプナックのPKで前半のうちに一点差に詰め寄ったが、後半に入り71分にドルゲのこの日二点目で勝負あり、VfBが3-1で勝ってデュイスブルガーとの決勝戦にコマを進めた。
決勝
VfBライプツィヒは5回目、デュイスブルガーSpVは初の決勝進出である。強い雨が降りしきる悪天候の中、ライプツィヒは9分にエドゥアルト・ペンドルフのPKで先制、約15分後にはパウル・ペンプナーが追加点を挙げ、2-0のリードで前半を終えた。60分にデュイスブルクのコルネリウス・ビュッシャーがオウンゴールを犯し、3-0。75分ハインリヒ・フィッシャーが一点を返すも、VfBライプツィヒが3-1のリードを守って勝利。第一次世界大戦前の最多記録となる、3回目のドイチェ・マイスターシャフト制覇を成し遂げた[5][6]。
VfBライプツィヒのマイスターマンシャフト
VfBライプツィヒ | |
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得点ランキング[7]
選手 | クラブ | 出場数 | 得点数 | |
---|---|---|---|---|
1. | ![]() |
VfBライプツィヒ | 3 | 5 |
2. | ![]() |
ベルリナーTuFCヴィクトリア89 | 2 | 3 |
3. | ![]() |
ベルリナーTuFCヴィクトリア89 | 2 | 2 |
![]() |
デュイスブルガーSpV | 2 | 2 | |
5. | ![]() |
VfBライプツィヒ | 3 | 2 |
6. | ![]() |
FCシュトゥットガルター・キッカース | 1 | 1 |
![]() |
FVホルシュタイン・キール | 1 | 1 | |
![]() |
SVプルシア=ザムラント・ケーニヒスベルク | 1 | 1 | |
9. | ![]() |
デュイスブルガーSpV | 2 | 1 |
![]() |
ベルリナーTuFCヴィクトリア89 | 2 | 1 | |
11. | ![]() |
デュイスブルガーSpV | 3 | 1 |
![]() |
VfBライプツィヒ | 3 | 1 | |
![]() |
VfBライプツィヒ | 3 | 1 | |
![]() |
デュイスブルガーSpV | 3 | 1 | |
![]() |
VfBライプツィヒ | 3 | 1 |
脚注
注釈
出典
- ^ Dinant Abbink (27 Apr 2023). “Germany - Championships 1902-1945” (英語). RSSSF. 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b “Germany 1912/13” (英語). RSSSF. 2025年2月5日閲覧。
- ^ “Deutsche Meisterschaft 1912/1913 » Finale” (ドイツ語). weltfussbal.de. 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b “Deutsche Meisterschaft 1912/1913 » Spielplan” [German championship 1912–13] (ドイツ語). Weltfussball.de. 12 January 2016閲覧。
- ^ リヒテンベルガー/秋吉 2005, 55頁
- ^ リヒテンベルガー/秋吉 2005, 478頁
- ^ “Deutsche Meisterschaft 1912/1913 » Torschützenliste” (ドイツ語). weltfussbal.de. 2025年2月5日閲覧。
参考文献
- ウルリッヒ・ヘッセ・リヒテンベルガー 秋吉香代子訳 (2005). ブンデスリーガ ドイツサッカーの軌跡. バジリコ株式会社. ISBN 4-901784-92-7
- Geschichte des deutschen Fußballsports. Band III der Schriftenreihe des Deutschen Fußball-Bundes. Carl Koppehel, Verlag Wilhelm Limpert, Frankfurt 1954, 4. erweiterte Auflage ohne Jahresangabe.
- Deutsche Meisterschaft (1903-1923), IFFHS-Magazin Libero Nr. 36. International Federation of Football History & Statistics, Wiesbaden, II. Quartal 2002.
- Das Goldene Buch des Deutschen Fußballs. Hardy Grüne, Dietrich Schulze-Marmeling, Verlag Die Werkstatt, Göttingen 2015.
外部リンク
- ドイチェ・フースバルマイスターシャフト1912-1913のページへのリンク