デレック・チゾラとは? わかりやすく解説

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デレック・チゾラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 15:32 UTC 版)

デレク・チゾラ
基本情報
本名 デレク・チゾラ
通称 Del Boy(悪童)
War
階級 ヘビー級
身長 187cm
リーチ 188cm
国籍 イギリス
誕生日 (1983-12-29) 1983年12月29日(41歳)
出身地 ジンバブエハラレ
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 49
勝ち 36
KO勝ち 23
敗け 13
引き分け 0
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デレク・チゾラDereck Chisora1983年12月29日 - )は、イギリスプロボクサー

来歴

ジンバブエハラレで生まれ育ち、16歳の時にイギリスのロンドンへ移住した[1]。2010年11月、交際相手の携帯電話を無断で調べ、知らない男からのメールを見つけ暴行を加えたとして懲役12週間、執行猶予2年の有罪判決を受ける。またこの時、以前に治安維持違反、警官への暴行、武器の不法所持などの前科があることが発覚している[2]

プロ時代

2007年2月17日にプロデビューを果たし、デビュー戦を2回1分21秒TKOで勝利。

2009年5月22日、ポール・バットリンに8回TKOで勝利するが、試合後テレビのVTRで確認したところ噛み付きの反則行為があったとして、4ヶ月間の出場停止と罰金2500ポンドを言い渡される[3]

2010年5月15日、ダニー・ウィリアムズに2回1分41秒TKOで勝利してBBBofCヘビー級王座の奪取に成功。

2010年12月11日にウラジミール・クリチコと対戦予定だったが、試合3日前にクリチコが腹筋を痛め2011年4月30日に延期される。結局クリチコはデビッド・ヘイと対戦することを発表し、チゾラとの試合は中止となった。

2011年7月23日、タイソン・フューリーと対戦。12回3-0(112-117×2、111-118)の判定負けで、初黒星を喫した。

2011年12月3日、フィンランドヘルシンキハートウォールアリーナロバート・ヘレニウスWBAインターコンチネンタルヘビー級王座、WBOインターコンチネンタルヘビー級王座並びに空位のEBUヘビー級王座を賭け対戦し、12回1-2(113-115、113-115、115-113)の判定負けを喫しWBAインターコンチネンタル王座、WBOインターコンチネンタル王座並びにEBU王座の獲得に失敗した[4]

2012年2月18日、ドイツミュンヘンで、WBC世界ヘビー級王者ビタリ・クリチコに挑戦。チゾラは前日の計量でクリチコにビンタを張り、試合前のリング上では口に含んでいた水をクリチコの顔に吹きかけるなど激しく挑発した。しかし試合はクリチコが2〜3ラウンドに左肩を痛めてそれ以降はほとんど右手一本で戦ったが、それでもほぼ一方的に試合を支配して、チゾラは12回0-3(110-118、110-118、111-119)の判定で敗れた。

試合翌日の19日、試合の記者会見場で解説として来ていたデビッド・ヘイと乱闘になり、ミュンヘン空港にて暴行容疑でドイツ当局に逮捕される[5]

2012年2月19日、WBCがチゾラに無期限資格停止処分を下し、ランキングから除外。また感情をコントロールするためのカウンセリングを受けるよう命じた[6]

2012年3月14日、英国ボクシング管理委員会が事情聴取を行いチゾラのボクシングライセンスを剥奪することを決定する[7]

2012年7月14日、ロンドンのアップトンパークでデビッド・ヘイと対戦。5回に2度ダウンを奪われ2分59秒TKOで敗れた。英国ボクシング管理委員会は両選手がイギリスでのボクシングライセンスを許可されていないことから試合を行うことを認めなかったが、ルクセンブルク・ボクシング連盟が両選手にボクシングライセンスを与え、イギリス国内で行われる試合にもかかわらず海外のコミッションが選手にライセンスを授与するという「イギリスボクシング界史上初の非合法試合」と騒がれるほど前代未聞の異例な形で試合が行われた[8]

2013年3月12日、英国ボクシング管理委員会が剥奪から約1年ぶりにチゾラにボクシングライセンスを再発行する。

2013年4月20日、ボクシングライセンス再発行後初試合をロンドンで行い、9回TKOで勝利する。

2014年2月15日、カッパー・ボックス・アリーナでケビン・ジョンソンと対戦、12回3-0(118-109×2、118-110)の大差判定勝利を収める。

2014年7月26日、ウラジミール・クリチコが保持するWBO世界ヘビー級王座への挑戦権を懸けてタイソン・フューリーと対戦予定だったが、試合8日前にアレクサンダー・ウスティノフとスパーリング中に左拳を骨折し欠場となった[9]

2014年11月22日、エクセル展覧会センターにてWBOランキング4位のタイソン・フューリーとWBO世界ヘビー級王者ウラジミール・クリチコの指名挑戦者決定戦で約3年半ぶりの再戦。試合は観客からブーイングが飛ぶアクションの少ない凡戦かつフューリーのワンサイドゲームとなり、10回TKO負けを喫した[10][11]

2016年5月7日、ドイツのハンブルクでIBF世界ヘビー級2位の座を懸けてIBF世界ヘビー級5位のクブラト・プレフと対戦[12]。しかし12回1-2(112-116、110-118、115-113)の判定負けを喫した。

2017年8月31日、ザウアーランド・イベントを離脱した[13]

2017年9月、エディー・ハーンが率いるマッチルーム・スポーツと契約[14]

2020年5月23日、オレクサンドル・ウシクと対戦が決まっていたが新型コロナウイルスの影響で試合延期になった[15]。その後、2020年10月31日にウェンブリー・アリーナでウシクと対戦するが、12回3-0(113-115×2、112-117)の判定負けを喫した。

2021年5月1日、マンチェスター・アリーナジョセフ・パーカーとWBOインターコンチネンタルヘビー級王座決定戦を行い、1回開始早々パーカーからダウンを奪うが、12回1-2(113-115、115-113、111-116)の判定負けを喫し王座返り咲きに失敗した。

2021年12月18日、マンチェスター・アリーナでWBOインターコンチネンタルヘビー級王者のジョセフ・パーカーと再戦し、12回0-3(112-114、111-115、110-115)の判定負けを喫した。

2022年7月9日、ロンドンのO2アリーナクブラト・プレフとWBAインターナショナルヘビー級王座決定戦を行い、12回2-1(112-116、116-114、116-112)の判定勝ちを収め、王座返り咲きに成功すると共に6年前の雪辱を果たした[16]

2022年12月3日、ロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムにてWBC世界ヘビー級王者のタイソン・フューリーと3度目の再戦に臨むが、前回同様フューリーのワンサイドゲームとなり10回2分51秒TKO負け。王座獲得に失敗した[17]

2024年7月27日、O2アリーナでジョー・ジョイスと対戦し、10回判定勝ちを収めた。

2025年2月8日、マンチェスターCo-op LiveでIBF世界ヘビー級2位決定戦としてIBF世界同級12位のオットー・ヴァリンと対戦。チゾラのイギリスでの最後の試合と銘打って行われ、1万3000人の観衆が詰めかけた試合は12回3-0(117-119、114-112、116-110)の判定勝ちを収めた[18]。試合発表当初はジャレル・ミラーと対戦する予定だったが、ミラーが自身のプロモーターであるドミトリー・サリタと対立した影響により欠場したため、ヴァリンが代役で出場することとなった。

私生活

チゾラは結婚しており、2人の子供がいる。

政治的にはボリス・ジョンソン首相保守党の支持者であり、2022年7月のクーブラト・プーレフとの再戦の計量中にジョンソンの顔のマスクを着用し、退任する首相を賞賛した[19]

戦績

  • プロボクシング:49戦 36勝 (23KO) 13敗
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2007年2月17日 2R 1:21 TKO イシュトバーン・ケクスケズ  ハンガリー プロデビュー戦
2 2007年4月7日 4R 判定 トニー・ブース イギリス
3 2007年10月13日 4R 判定 ダレン・モーガン イギリス
4 2008年1月12日 4R 判定 ポール・バットリン イギリス
5 2008年6月14日 6R 2:34 TKO サム・セクストン イギリス
6 2008年9月12日 6R 3:00 TKO ショーン・マクリーン アメリカ合衆国
7 2008年9月26日 3R 2:45 TKO リー・スウェイビー イギリス
8 2008年12月6日 2R終了 TKO ニール・シンプソン イギリス
9 2009年1月30日 8R 判定 ダニイル・ペレチャッコ ロシア
10 2009年5月22日 8R 判定 ポール・バットリン イギリス
11 2009年10月9日 3R 2:20 TKO ズラブ・ノニアシュビリー ジョージア
12 2010年2月13日 2R 2:13 TKO カール・ベイカー イギリス BBBofC英国ヘビー級挑戦者決定戦
13 2010年5月15日 2R 1:41 TKO ダニー・ウィリアムズ ロシア BBBofC英国ヘビー級タイトルマッチ
14 2010年9月18日 9R 2:53 TKO サム・セクストン イギリス BBBofC英国・コモンウェルス英連邦ヘビー級王座統一戦
コモンウェルス英連邦獲得・BBBofC英国防衛1
15 2011年7月23日 12R 判定0-3 タイソン・フューリー イギリス BBBofC英国・コモンウェルス英連邦陥落
16 2011年11月11日 6R 判定 レミディウス・ジオーシズ  リトアニア
17 2011年12月3日 12R 判定1-2 ロバート・ヘレニウス  スウェーデン WBAWBOインターコンチネンタルヘビー級タイトルマッチ
EBU欧州ヘビー級王座決定戦
18 2012年2月18日 12R 判定0-3 ビタリ・クリチコ  ウクライナ WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
19 2012年7月14日 5R 2:59 TKO デビッド・ヘイ イギリス WBAインターコンチネンタル・WBOインターナショナルヘビー級王座決定戦
20 2013年4月20日 9R 2:49 TKO ヘクター・アルフレド・アビラ アルゼンチン
21 2013年7月20日 6R 2:56 TKO マリク・スコット アメリカ合衆国 WBOインターナショナルヘビー級王座決定戦
22 2013年9月21日 5R 2:50 TKO エドモンド・ガーバー カザフスタン EBU欧州ヘビー級王座決定戦
23 2013年11月30日 3R 2:25 TKO オンドレイ・パーラ  チェコ WBAインターナショナルヘビー級王座決定戦
WBOインターナショナル防衛1
24 2014年2月15日 12R 判定3-0 ケビン・ジョンソン アメリカ合衆国 WBOインターナショナル防衛2・WBAインターナショナル防衛1→返上
25 2014年11月29日 10R終了 TKO タイソン・フューリー イギリス BBBofC英国ヘビー級王座決定戦
EBU欧州・WBOインターナショナル陥落
26 2015年7月24日 1R 0:29 KO ベカ・ロブジャニーゼ ジョージア
27 2015年9月26日 10R 判定 マルセロ・ルイス・ナシメント ブラジル
28 2015年12月5日 5R 1:01 TKO ピーター・オルドス  ハンガリー
29 2015年12月12日 3R 2:23 TKO ヤコブ・ゴスピチ クロアチア
30 2016年1月9日 2R 2:08 TKO アントラージュ・チェメル  ハンガリー
31 2016年5月7日 12R 判定1-2 クブラト・プレフ  ブルガリア EBU欧州ヘビー級王座決定戦
32 2016年9月10日 2R 1:09 KO ドラジャン・ジャンジャニン ボスニア・ヘルツェゴビナ
33 2016年12月10日 12R 判定1-2 ディリアン・ホワイト イギリス
34 2017年9月30日 5R 1:20 TKO ロバート・フィリポビッチ クロアチア
35 2017年11月4日 12R 判定0-2 アギット・カバエル ドイツ EBU欧州ヘビー級タイトルマッチ
36 2018年3月24日 2R 2:12 TKO ザカリア・アゾウジ ブラジル
37 2018年7月28日 8R 1:01 TKO カルロス・タカム カメルーン WBAインターナショナルヘビー級王座決定戦
38 2018年12月22日 11R 1:56 KO ディリアン・ホワイト イギリス WBCシルバー・WBOインターナショナルヘビー級タイトルマッチ
39 2019年4月20日 10R 判定3-0 セナド・ガシ ドイツ
40 2019年7月20日 2R 1:01 KO アルツール・スピルカ ポーランド
41 2019年10月26日 4R 2:20 TKO デビッド・プライス イギリス WBOインターコンチネンタルヘビー級王座決定戦
42 2020年10月31日 12R 判定0-3 オレクサンドル・ウシク  ウクライナ WBOインターコンチネンタル陥落
43 2021年5月1日 12R 判定1-2 ジョセフ・パーカー ニュージーランド WBOインターコンチネンタルヘビー級王座決定戦
44 2021年12月18日 12R 判定0-3 ジョセフ・パーカー ニュージーランド WBOインターコンチネンタルヘビー級タイトルマッチ
45 2022年7月9日 12R 判定2-1 クブラト・プレフ  ブルガリア
46 2022年12月3日 10R 2:51 TKO タイソン・フューリー イギリス WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
47 2023年8月12日 10R 判定3-0 ジェラルド・ワシントン アメリカ合衆国
48 2024年7月27日 10R 判定3-0 ジョー・ジョイス イギリス
49 2025年2月8日 12R 判定3-0 オットー・ヴァリン  スウェーデン IBF世界ヘビー級2位決定戦
テンプレート

獲得タイトル

  • BBBofC英国ヘビー級王座
  • コモンウェルス英連邦ヘビー級王座
  • EBU欧州ヘビー級王座
  • WBAインターナショナルヘビー級王座
  • WBOインターナショナルヘビー級王座
  • WBOインターコンチネンタルヘビー級王座

脚註

  1. ^ Chisora being treated badly”. NewsDay Zimbabwe (2012年3月3日). 2014年2月15日閲覧。
  2. ^ Boxer Dereck Chisora guilty of assaulting girlfriend”. BBC (2010年11月10日). 2014年2月15日閲覧。
  3. ^ BOXING: Chisora banned for biting”. Teletext Ltd. 2009年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月15日閲覧。
  4. ^ Helenius Grabs Controversial Split Decision Over Chisora Boxing Scene.com 2011年12月3日
  5. ^ 試合後の会見場でヘビー級ボクサー2人が乱闘騒ぎ”. AFPBB News (2012年2月20日). 2014年2月15日閲覧。
  6. ^ チソラに無期限の出場停止処分、WBC”. AFPBB News (2012年2月29日). 2014年2月15日閲覧。
  7. ^ Dereck Chisora has boxing licence withdrawn by British authority”. BBC Sport (2012年3月14日). 2014年2月15日閲覧。
  8. ^ ヘイが因縁の対決でチソラに勝利”. AFPBB News (2012年7月14日). 2014年2月15日閲覧。
  9. ^ Fury-Chisora II postponed”. ESPN.com (2014年7月21日). 2014年7月22日閲覧。
  10. ^ Tyson Fury pounds Dereck Chisora”. ESPN.com (2014年11月29日). 2014年11月30日閲覧。
  11. ^ ヒューリーTKOでチゾラを返り討ち Boxing News(ボクシングニュース) 2014年11月30日
  12. ^ Notes: Pulev-Chisora eliminator finds U.S. TV home”. ESPN.com (2016年5月2日). 2016年5月14日閲覧。
  13. ^ Dereck Chisora splits with Sauerland Promotion”. BAD LEFT HOOK (2017年8月31日). 2017年9月2日閲覧。
  14. ^ Dereck Chisora to face TBD opponent Sept. 30, due to challenge Agit Kabayel after that”. ESPN.com (2017年9月21日). 2017年10月26日閲覧。
  15. ^ Whyte-Povetkin, Usyk-Chisora Cards Pushed Back Due To COVID-19”. Boxing Scene.com (2020年3月30日). 2020年5月11日閲覧。
  16. ^ “Chisora vs Pulev 2 full fight video highlights and results: Derek Chisora wins split decision over Kubrat Pulev in rugged rematch”. SB Nation. (2022年7月9日). https://www.badlefthook.com/platform/amp/2022/7/9/23201908/chisora-vs-pulev-2-full-fight-video-highlights-results-dazn-boxing-news-2022 2022年7月9日閲覧。 
  17. ^ https://www.boxingscene.com/tyson-fury-beats-down-derek-chisora-stops-him-tenth-trilogy--170904”. Boxingscene. 2022年12月4日閲覧。
  18. ^ Derek Chisora battles through blood to defeat Otto Wallin in his UK swansong”. Boxing Scene.com (2025年2月8日). 2025年2月9日閲覧。
  19. ^ Derek Chisora wears Boris Johnson mask and Kubrat Pulev tries to break Eddie Hearn's arm” (英語). talkSPORT (2022年7月8日). 2022年9月11日閲覧。

関連項目

外部リンク




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