DTC
【英】:Design To Cost
DTCは、アメリカ国防総省が増大する国防予算の抑制策として、1971年から契約業者全てにその実施を要求するようになった考え方。
コスト目標を決めて、製品の開発設計段階の全てを通じてコストが目標内に収まるようコントロールしていくという製品開発管理の考え方である。
その後、アメリカにおいては民間企業も製造コスト抑制の有力な方法として盛んに活用されるようになり、日本においてもVA(Value Analysis)関係者を通じて諸企業で採用されるようになった。
DTCプログラムでは、要求事項の定義づけ、目標の割り付け、機能分析とその評価、感度分析によるコストドライバーの発見、機能/コスト分析とトレードオフなど、VAの諸手法を随所に使用する。
DTCプログラムは、全てDTCプロジェクトマネージャーを中心に展開され、そのプロジェクトマネージャーはトップからDTCプログラム遂行の責任と権限が与えられる。
デザイン・ツー・コスト
(デザイン・トゥ・コスト から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 07:10 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動デザイン・ツー・コスト(Design-to-Cost、DTC)は、コスト管理手法の一つで、製品開発及び製造にかかるコストを管理するための体系的な取り組みを表す。基本的な考え方は、コストはコンセプト決定の初期段階からでも「製品の中」に設計されており、後から取り除くことは困難であるというものである。したがって、コストは範囲(機能)、スケジュールと同様に重要なパラメータと考えられており、この3つを合わせると、よく知られているプロジェクト管理の三角形となる。
製品ライフサイクルの初期段階やコンセプト段階の早い時期に適切な設計判断を下すことにより、後の段階での不必要なコストを回避できる。ただし、DTCでは開発サイクル全体でコスト管理に必要な対策を講じようとする。DTCでは、コスト検討も拡張要求仕様の一部となる[1]。
密接に関連する原価企画とは対照的に、DTCは製品が規定のコストへ正確に到達することを意味するものではなく、むしろ「製品開発活動においてコストを設計パラメータとして考慮する」ことを意味する[2]。また、DTCは、メーカーや企業の生産コストではなく、顧客に提供できる価値を重視するDesign-to-Value(DTV)とも対比される[2]。
この概念は、アメリカ国防総省が開発し、1971年の「主要国防システムの取得(Acquisition of Major Defense System)」と題された通達(Directive)5000.1が始まりとされている[3][4]。
関連項目
- ライフサイクルコスト
- TCO(総保有コスト)
出典
- ^ http://www.cs.odu.edu/~mln/ltrs-pdfs/iaa-ceso-11-90.pdf
- ^ a b http://www.hillerassociates.com/design-to-value-versus-design-to-cost-versus-minimum-viable-product/
- ^ 岡野憲治 『デザイン・ツー・ライフサイクル・コスト研究序説』 松山大学、1998年、83-145頁 。
- ^ 西口敏宏 『新しい防衛調達モデルの探索的調査研究(その3)』 防衛調達基盤整備協会、2010年、27頁 。
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