テトラ・アビエーション_Mk-5とは? わかりやすく解説

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テトラ・アビエーション Mk-5

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/06 04:13 UTC 版)

テトラ・アビエーション Mk-5(テトラ・アビエーション マーク5、英語: teTra aviation Mk-5)は、日本のテトラ・アビエーションが開発している有人eVTOL空飛ぶクルマ)。

経緯

エア・モビリティ開発コンテスト「GoFly」向けのコンセプトモデルとして[1]2020年令和2年)に発表されたMk-3に続き[2][3][4]、テトラ・アビエーションは1年をかけてMk-5の開発を行った[3]。福島ロボットテストフィールドの飛行試験場における試験飛行などを経て[5][6]2021年(令和3年)7月26日に「エアベンチャー オシュコシュ2021」にてMk-5の実機を初公開し、同時に予約販売のための有料ミーティングの受付を開始した[3]

2021年8月16日にはアメリカにて連邦航空局(FAA)から実験航空機向けの特別耐空証明証と飛行許可証、登録記号「N155TA」を取得し、9月2日カリフォルニア州で飛行試験を開始した[3][4][7][8]。2021年12月20日の時点で販売の成約がなされ[4][6]2022年(令和4年)6月22日の時点で4機の試作機が完成している[9]。また、2022年9月17日には、福島ロボットテストフィールドにて岸田文雄内閣総理大臣の視察を受け、岸田総理がコックピットに搭乗している[10]。2022年末のデリバリー開始が予定されていたが[7][8]、後に2023年(令和5年)中に変更されている[4]

想定されていた主な顧客はプライベートパイロットライセンスを持つアメリカの富裕層だが[3]、日本の顧客への販売も可能としていた[11]。全世界での販売目標として掲げられていた機数は40機[2]。個人利用機としてアメリカの顧客からのフィードバックを受け[2][4]、2拠点間移動サービス向けの量産型eVTOLの開発へ活かす方針が立てられており[12]2024年(令和6年)には実用機に位置づけられる2人乗りのMk-7の開発が、Mk-5での実証を基に開始されている[13]。2024年12月2日には、正式なMk-7の発表に合わせてMk-5の製造・販売の終了がアナウンスされた[14]

設計

30分で100 km移動するという移動体験をコンセプトとする[6]。機体はアルミニウムおよび炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)製で[15]、市販される航空機として有人飛行における安全性を重視し、マルチコプター形式ではなく[2]従来の小型飛行機に近い形状を採用している[2][6]前後2枚の固定翼に32枚の垂直離着陸プロペラを、胴体後尾に1枚の推進用プロペラを備え、水平飛行は固定翼と尾部のプロペラで行う[2][3]。垂直離着陸用プロペラは4枚が故障しても安定飛行に支障はなく[3][6]。フライトシステムの制御系統も安全性のために二重化されている[6]。オプションとして緊急着陸用のパラシュートを装備することも可能[15]。乗員は1名で[13][15]、操縦にはジョイスティックを用いる[4][15]

販売はキットプレーンとして行われた[2][15]。価格は約5,000万円[4]。また、機体の仕様はシリアル番号(SN)によって異なり[15]、「オシュコシュ2021」で発表された機体はSN2[3]、顧客にデリバリーされる機体はSN3以降となる[15]

諸元(SN3以降・一部目標値)

出典:「テトラ・アビエーション」[15]

  • 全長:6.15 m
  • 全幅:8.62 m
  • 全高:2.51 m
  • 本体重量:357.8 kg
  • 最大離陸重量:580 kg
  • バッテリー:リチウムイオン電池[13](電力17 kWh)
  • 最大推力:854 kgf(垂直方向)、125 kgf(水平方向)
  • 巡航速度:160 km/h
  • 航続距離:160 km
  • 乗員:1名

脚注

参考文献

関連項目




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