チラコイドの形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 13:43 UTC 版)
葉緑体は、植物が地面から発芽する際に色素体から発展してできる。チラコイドの形成には光が必要である。胚の段階で光が当たらないと、色素体は、プロラメラ体と呼ばれる半結晶の膜構造を持つエチオプラストになる。光に曝露されると、プロラメラ体はチラコイドになる。光の量が不十分だとチラコイドの形成に失敗し、葉緑体ができずに植物は死んでしまう。 チラコイドの形成には、vesicle-inducing protein in plastids 1 (VIPP1)と呼ばれるタンパク質の働きが必要である。このタンパク質を欠くと植物は生きることができず、VIPP1の発現量を減らすと光合成の能力が落ち、成長は遅く、色は薄くなる。VIPP1はチラコイド膜の形成に必要だと考えられているが、チラコイド膜上のタンパク質複合体には含まれていない。このタンパク質は、シアノバクテリア、クラミドモナスのような緑藻、シロイヌナズナのような高等植物を含むチラコイドを持つ全ての生物で保存されている。
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