ダニエル積分による構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 18:40 UTC 版)
「ルベーグ=スティルチェス積分」の記事における「ダニエル積分による構成」の解説
ルベーグ=スティルチェス積分を構成する別な方法として (Hewitt & Stromberg 1965) は通常のリーマン=スティルチェス積分を基に拡張したダニエル積分としての構成を与えている。函数 g が有界閉区間 [a, b] 上で右連続非増大であるとき、連続函数 f に対する基本積分 I(f) をリーマン=スティルチェス積分 I ( f ) = ∫ a b f d g {\displaystyle I(f)=\int _{a}^{b}f\,dg} によって与えると、汎函数 I は有界閉区間 [a, b] 上のラドン測度を定める。汎函数 I は I _ ( h ) = sup { I ( f ) ∣ f ∈ C [ a , b ] , 0 ≤ f ≤ h } {\displaystyle {\underline {I\!}}\,(h)=\sup\{I(f)\mid f\in C[a,b],0\leq f\leq h\}} および I ¯ ( h ) = inf { I ( f ) ∣ f ∈ C [ a , b ] , h ≤ f } {\displaystyle {\bar {I}}(h)=\inf\{I(f)\mid f\in C[a,b],h\leq f\}} と置くことにより、非負値函数全体の成すクラスにまで拡張することができて、ボレル可測函数については I _ ( h ) = I ¯ ( h ) {\displaystyle {\underline {I\!}}\,(h)={\bar {I}}(h)} が成立するから、この等式のどちらかの辺によって h のルベーグ=スティルチェス積分を定義するのである。外測度 μg は、集合 A の指示函数を χA として μ g ( A ) = I ¯ ( χ A ) {\displaystyle \mu _{g}(A)={\bar {I}}(\chi _{A})} を通じて与えられる。 積分函数 g が有界変動のときは、上で述べたのと同じく正変動と負変動の差に分解してやればよい。
※この「ダニエル積分による構成」の解説は、「ルベーグ=スティルチェス積分」の解説の一部です。
「ダニエル積分による構成」を含む「ルベーグ=スティルチェス積分」の記事については、「ルベーグ=スティルチェス積分」の概要を参照ください。
- ダニエル積分による構成のページへのリンク