ゾルフ・シェーファー時代
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「ダルムシュタット夏季現代音楽講習会」の記事における「ゾルフ・シェーファー時代」の解説
ホンメルが1994年に引退した後、1996-2008年度ディレクターのゾルフ・シェーファーはホンメル式を完全に撤廃した。講師陣は従来以上に厳選され、メインの講義スケジュールにおいて同じ時間帯に複数の講師が話すということはなくなった。このために講習会の性格が「偏った」ものになっていることは当の講師陣から指摘されているが、「小さな勉強会」としての性格を保持するのがシェーファーの方針であった。2002年にはパリのIRCAMと提携し、Max/MSPやOpenMusicといったIRCAM製ソフトウェアのレクチャーを行ったほか、招聘作曲家のトリスタン・ミュライユやエマニュエル・ヌネスらのエレクトロニクスを含む作品の演奏を取り上げた。 細川俊夫は既に講師として10年強が経過していたが、根強く2006年まで講師に招聘され続けていた。講師の面子もあまり代わり映えがしなくなっていた。それでもイザベル・ムンドリー、ジェニファー・ウォルシュ、サルヴァトーレ・シャリーノやトリスタン・ミュライユなどジーメンス系に偏らず、積極的に逸材を招聘していた。 ただし、メイン講義と同時間帯に別の講師作曲家が興味ある学生を募って、別教室で個人レッスンや小規模グループレッスンを開いたり、また作曲科の学生が演奏家のレッスンや小規模レクチャーを見学しに行くことは多くありえた。学生にとっても自由な受講の選択肢があり、またメイン講義だけでなく、そうした機会に出席することで、作曲や演奏の受講生同士が知り合い、講習会終盤の試演会に参加できるチャンスもあった。
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