ソリストとしての評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/12 14:26 UTC 版)
「アドルフ・ブッシュ」の記事における「ソリストとしての評価」の解説
ヨーゼフ・ヨアヒム以来のドイツ風の演奏を受け継いでいると評されており、ヴァイオリニストのナタン・ミルシテインはブッシュについて「パガニーニの『奇想曲』を輝くばかりに演奏するかと思えば、ベートーヴェンの協奏曲を深く演奏することのできる優れたヴァイオリニストだった」と述べている。また、ルドルフ・ゼルキンとのデュオも評判が高かった。 晩年は演奏技術に陰りが見られることもあり、第二次世界大戦後にブッシュと共演した指揮者のゲオルグ・ショルティは「優しく温かみのある人だったが、演奏家としては盛りをすぎ、かつての名手の影法師でしかなかった」と評している。同様に、上述のミルシテインも「心臓に疾患があり、人生の終わりに向かいつつ、かつての激しさで演奏することは難しくなっていた」と述べた。また、ピアニストのクラウディオ・アラウは「アメリカに来て埋もれてしまう才能」との1人としてブッシュの名を挙げており、「人々は少しも彼を認めませんでした」と語った。 ただし、そのような技術の衰えを経てもなお「彼と個々の聞き手ひとりひとりとのあいだに非常に個人的な触れ合いが存在するような感じが生ずるのであった」とも評されている。
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