セントラル・アジア・シェパード・ドッグ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/28 13:31 UTC 版)

セントラル・アジア・シェパード・ドッグ(英: Central Asia Shepherd Dog)は、中央アジアを原産とする護羊犬である[1][2]。欧州では、家庭犬として飼われている[2]。
本種との交雑種や亜種のKuchi Dog(Sage Kuchi)を含む犬にトルクメニスタンではアラバイ(トルクメンアラバイ)、カザフスタンではトベット(カザフトベット)と言う愛称がある。
通称は別名のCentral Asian Ovcharkaを略してCAO。
歴史
とても古い古代犬種で約6000年前には既にいたほど昔からある犬種である。
チベット原産のチベタン・マスティフを先祖とすると言われており世界最古のマスティフ種の一種である。
専ら羊や山羊などの家畜をオオカミや泥棒から守るガードドッグとして使われていて力の強さと警戒心の固さはトップクラスであると言われていた。
その為、この犬種の訓練や躾が出来る人物は一人前として認められ「男の中の男」とまで言われて讃えられた(注:しかし中には女性の訓練士もいたという記録も残されている)
このように飼育や躾が難しい生粋の作業犬である為、ショードッグとしてはあまり使われていなかった。
しかし20世紀になると本種は「辺境の作業犬」として注目され少数がショードッグとして輸出されて繁殖が行われ世界各地に広まってショードッグやペットとしても使われるようになった。
近年はショードッグとしてイタリアやロシアで人気がある。飼育が難しいため爆発的な人気を得るまでには至っていないが熱心な愛好家がいる。
日本では数年に一度、国内登録が行われる珍しい犬種である(現在は毎年細々と登録されている)。
2008年度の国内登録頭数順位は134位中129位であった。
特徴
マスティフタイプの犬種ではあるが原始的な姿をしている。
筋骨隆々の骨太な体つきで非常に力が強い。
コートはスムースコートとやや長めのショートコートの2タイプがあり、毛色は白、黒、茶などの他、ブリンドルや白地に斑がありブレーズが白いものが好まれる。
垂れ耳、垂れ尾であるが原産地では怪我防止の為に外耳はほぼ全て断耳、尾もかなり短く断尾する習慣がある。
体高60 - 78センチ、体重40 - 79キログラム[2]。性格は攻撃的で独立心が強い[2]。
また「並外れて不活発」と記述されている事もある。
しっかりした躾と訓練が欠かせずそれを怠れば事故も発生しかねないため注意が必要である。
参考文献
- 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
- 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
- 『デズモンド・モリスの犬種事典』(誠文堂新光社)デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
- 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著
- 『日本と世界の愛犬図鑑2010』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著
脚注
- ^ 「セントラル・エイジアン・シープドッグ」『犬&猫:ペットの品種がわかる事典』講談社 。コトバンクより2025年8月28日閲覧。
- ^ a b c d “セントラル・エイジアン・シープドッグ”. Yahoo!きっず図鑑. LINEヤフー. 2025年8月28日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 講談社 犬&猫:ペットの品種がわかる事典『セントラル・エイジアン・シープドッグ』 - コトバンク
- セントラル・エイジアン・シープドッグ - Yahoo!きっず図鑑
- セントラル・アジア・シェパード・ドッグのページへのリンク