セルトリ細胞の役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/08 08:22 UTC 版)
分化のすべての段階で、精子になる細胞はセルトリ細胞と密接に接触している。セルトリ細胞は分化途上の精細胞を構造的および代謝的にサポートすると考えられている。精細管の基底膜から内腔へ、単一のセルトリ細胞が延びている。セルトリ細胞は、次の方法で分化途上の配偶子をサポートし、精子形成に多くの機能を果たす。 血液精巣関門を構築することで、分化および成熟のために必要な環境を維持する。 減数分裂を開始する物質を分泌する。 精巣周辺の体液を分泌する。 アンドロゲン結合タンパク質(ABP)を分泌する。ABPは、分化途上の配偶子の近傍でテストステロンを濃縮する。テストステロンは、生殖器官の維持のために高濃度で必要とされる。ABPによる高い濃縮がなければ不妊になる。 下垂体による精子形成制御に影響を与えるホルモン、特にポリペプチドホルモンであるインヒビンを分泌する。 精子形成の際に残留する細胞質を貪食する。 抗ミュラー管ホルモンを分泌し、ミュラー管の形成を防ぐ。 血液精巣関門を形成することで、免疫系から精細胞を保護する。 細胞間接着分子であるICAM-1、および可溶性ICAM-1は、血液精巣関門を形成する密着結合に対して拮抗的作用を有する分子である。ICAM-2分子は関門の頂端側と精細胞との接着を調節する。
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