スレーター則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/05 18:09 UTC 版)
詳細は「スレーター則」を参照 遮蔽定数 S を求める方法について、J・C・スレーターが次のように提案した。 有効量子数 n* は、量子数 n と以下のような関係にあるとする。 n1 2 3 4 5 n*1.0 2.0 3.0 3.7 4.0 有効核電荷 Zeff を計算するにあたって、原子のもつ以下のようなグループに分類し、1sから順に外側のグループに電子が配列するとする。 (1sのグループ)⇒(2sと2pのグループ)⇒(3sと3pのグループ)⇒(3dのグループ)⇒(4sと4pのグループ)⇒(4dのグループ)⇒(4fのグループ)⇒(5sと5pのグループ)⇒(...)⇒(...)... A. 着目する電子より外側の軌道に関しては無視する。 B. 着目する電子と同じグループにあるほかの電子からの寄与は電子1つにつき0.35(例外として1s軌道のときだけ0.30)とする。 C. 着目する電子がsとpのグループにあるときは、主量子数が1小さい電子からの寄与を電子1個につき0.85とし、その他の内側の電子の寄与は電子1個につき1.00とする。 D. 着目する電子がdまたはfのグループのときは、それより内側にある電子の寄与を電子1個につき1.00とする。 この方法にしたがって Mg, Si の最外殻電子 (n = 3) について有効核電荷を計算してみると、 Mg(Z = 12, 1s22s22p63s2) Zeff = 12 − (1 × 0.35 + 8 × 0.85 + 2 × 1.00) = +2.85 Zeff = 14 − (3 × 0.35 + 8 × 0.85 + 2 × 1.00) = +4.15 となる。 つまり、(Mgにおいて)電子による遮蔽がなければ、この最外殻電子は+12の核電荷の影響を受けるが、電子が間に存在することにより核電荷が+2.85にまで減少することを示している。
※この「スレーター則」の解説は、「有効核電荷」の解説の一部です。
「スレーター則」を含む「有効核電荷」の記事については、「有効核電荷」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書からスレーター則を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- スレーター則のページへのリンク