スモークジャック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/10 10:20 UTC 版)
スモークジャック(英語: smoke jack)とは、暖炉で火を焚くと煙突効果で上昇気流が生じ煙が上っていくが、この上昇気流で羽根車を回転させ、その回転力を動力として使用する装置である。中世ヨーロッパの酒場において、暖炉で調理中のあぶり肉などを回転させるために使われた[1]。自動焼串回転機[2]などの訳語もある。
これは歴史上でヘロンの汽力球(aeolipile)に次いで古い熱機関であり、また熱機関が実用に供された最初の例であった(ヘロンの汽力球は雛形でしかなく、何らの実用的目的にも供されなかった[3]。ただしヘロンの発明品にはヘロンの自動ドアと呼ばれる物もあり、それを容積型[4]の外燃機関と見なすならば、熱機関の最初の実用例はスモークジャックではなくヘロンの自動ドアであるとも言える)。熱機関としては速度型[4]の外燃機関に分類される[1]。
類似のものに、日本の回り灯籠がある。他に火の粉が飛散する事を防止、抑制する為に蒸気機関車や定置式蒸気機関や焼却炉等の煙突に回転式火の粉止めがつけられる例もある。
出典・脚注
- ^ a b 檜垣和夫 『エンジンのABC』講談社〈ブルーバックス〉、1996年。ISBN 978-4-06-257129-6。
- ^ ベルトラン・ジル 著、山田慶兒 訳 『ルネサンスの工学者たち : レオナルド・ダ・ヴィンチの方法試論』以文社、2005年。 ISBN 4-7531-0241-6。
- ^ アイザック・アシモフ 著、小山慶太、輪湖博 訳 『アイザック・アシモフの科学と発見の年表』丸善株式会社、1996年。 ISBN 4-621-04163-0。
- ^ a b 容積型と速度型 - ピストン中の作業流体が膨張・収縮する(つまり容積変化する)のを利用して動力を得るのが容積型の熱機関である。対して、タービンを用いて作業流体の運動エネルギー(速度によるエネルギー)を取り出す形式を速度型の熱機関と言う。
関連項目
スモークジャック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/06 22:40 UTC 版)
暖炉で火を焚くと煙突効果で上昇気流が生じ煙が上っていくが、この上昇気流で羽根車を回転させ、その回転力を動力として使用する装置がスモークジャックである。この装置の1つに、暖炉で肉を焼く時、この動力で肉を回転させ、全面が均一に焼けるようにした機械をダビンチが発明した。この肉の全面を均一に焼くためのスモークジャックは、チムニー・ジャック(Chimney jack)と呼ばれる。
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