スペースデブリの観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 09:30 UTC 版)
「入笠山光学観測所」の記事における「スペースデブリの観測」の解説
LEOと呼ばれる低軌道上のスペースデブリは観測施設が日本含め世界中に点在しているのに対し、GEOと呼ばれるより高度の高いデブリを検出する観測施設の整備は日本国内では比較的遅れていたが、入笠山からは20cmほどのサイズの高高度デブリを検出する観測が実現している。さらにより高度の高い静止軌道に位置しているデブリでも40cmほどのサイズのものを検出することができている。 国際的な観測の協力体制にも参加しており、同様の観測を行っているフランス国立宇宙研究センターやイタリア宇宙機関とも観測協力体制や使用ソフトウエアの比較などが実現している。スペースデブリに関する国際組織IADC(Inter-Agency Space Debris Coordination Committee)が共同観測キャンペーンを行った際は未発見のデブリを38個発見した。また、アメリカが1968年に打ち上げたタイタンロケットの破片が軌道上で分裂・崩壊した際は台湾の鹿林天文台と協力して未発見の破片を大量に発見した。 低軌道のデブリの観測も行っており、2007年1月に中国が弾道ミサイルによる低軌道気象衛星の破壊実験を行った際には発生したデブリをいち早く検出している。 2019年から始まった60cm望遠鏡によるデブリの直接観測の実験では、軌道上のH-IIAロケット部品の形状を直接捉えることに成功しているほか、高高度にある10cmを下回るサイズのスペースデブリの検出が見込まれている。
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