ステレオタイプとしての「クレイジー・ホース記念碑」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/15 15:30 UTC 版)
「クレイジー・ホース記念碑」の記事における「ステレオタイプとしての「クレイジー・ホース記念碑」」の解説
このクレイジー・ホース像は、「馬にまたがった、長い髪を渦のようになびかせた裸の戦士が、左手で前方を指差している」というポーズをとっていて、いかにも西部劇映画に出てくる「戦争酋長(ウォー・チーフ)」、「インディアンの司令官」といったイメージになっている。 しかし、そもそもインディアンやスー族の戦士はすべて個々の判断で戦う個人の集団であって、インディアンの社会には「なにかを指差して号令をかける」ような、白人が「戦争酋長」と呼んでいるような役職・地位はそもそも現実には存在しない。 クレイジー・ホースは白人と接することを極端に嫌い、生涯肖像画も写真も残さなかった。下項にもあるとおり、伝統派呪術師のレイムディアー(クレイジー・ホースの親戚である)はこの像を「まったくクレイジー・ホースに似ていない」と語っている。クレイジーホースは「指導者」だったことも、「司令官」だったこともない。インディアンの社会は「大いなる神秘」のもとにすべてを共有する横社会であり、「個人の指導者」も「命令する」という文化も存在しない。この像のデザイン自体はジオルコウスキーのステレオタイプなインディアン・イメージに基づくフィクションである。
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