シーシュポスの抵抗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 06:26 UTC 版)
ゼウスは、シーシュポスをタルタロスに連行するようタナトスに命じた。その理由として告げ口の恨みがあった(ゼウスの命を受けたのはタナトスではなくハーデースだという異説もある)。 しかし、シーシュポスは言葉巧みにタナトスが持ってきた手錠の使い方を教えてくれと頼み、これにまんまと引っかかったタナトスが自分の手で実演してみせると、いきなり手錠に鍵をかけてしまった。タナトスは、死の神であると同時に死の概念そのものであった。そのため、彼がシーシュポスの家から出られなくなると、首を切られた者も八つ裂きに処された者も、誰も死ぬことができなくなった。このことで一番困ったのは、アレースである。自分の権利を侵されそうになったアレースは、タナトスを助け出し、シーシュポスを捕らえた。 その間、シーシュポスは、妻のメロペーに、決して自分の葬式を出してはならないと言い含めておいた。冥府に連れてこられたシーシュポスは、ペルセポネーに葬式が済んでいないことを訴え、自分を省みない妻に復讐するために三日間だけ生き返らせてくれと頼んだ。冥府から戻ったシーシュポスは、ペルセポネーとの約束を反故にしてこの世に居座った。やむなくヘルメースがシーシュポスを力ずくで連れ戻した。
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