シュワルツシルト時空
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 06:12 UTC 版)
「ペンローズ図」の記事における「シュワルツシルト時空」の解説
最も単純なブラックホール時空であるシュワルツシルト解は、質量 M {\displaystyle M} の質点がつくる重力場を表すアインシュタイン方程式の厳密解であり、シュワルツシルト座標 ( t , r , θ , ϕ ) {\displaystyle (t,r,\theta ,\phi )} を用いるときその計量は d s 2 = − ( 1 − 2 M r ) d t 2 + d r 2 1 − 2 M / r + r 2 d Ω 2 {\displaystyle ds^{2}=-\left(1-{\frac {2M}{r}}\right)dt^{2}+{\frac {dr^{2}}{1-2M/r}}+r^{2}d\Omega ^{2}} と表示される。この座標系には r = 2 M {\displaystyle r=2M} で計量の特異性があることを注意しておく。シュワルツシルト時空におけるヌル座標 ( u , v ) {\displaystyle (u,v)} u = t − r ∗ , v = t + r ∗ , r ∗ = ∫ d r 1 − 2 M / r {\displaystyle u=t-r^{*},\ \ v=t+r^{*},\ \ r^{*}=\int {\frac {dr}{1-2M/r}}} を通じて、クルスカル座標 ( U , V ) {\displaystyle (U,V)} は U = ∓ e u / 4 M , V = e v / 4 M {\displaystyle U=\mp e^{u/4M},\ \ V=e^{v/4M}} d s 2 = − 32 M 3 r e − r / 2 M d U d V + r 2 d Ω 2 {\displaystyle ds^{2}=-{\frac {32M^{3}}{r}}e^{-r/2M}dU\,dV+r^{2}d\Omega ^{2}} により定義される。この座標系では r = 2 M {\displaystyle r=2M} での特異性が解消し、この超曲面を超えて解を拡張することができる。 最大限拡張されたシュワルツシルト時空について、そのペンローズ図はミンコフスキ時空の場合と同様に U ~ = arctan U , V ~ = arctan V {\displaystyle {\tilde {U}}=\arctan U,\ \ {\tilde {V}}=\arctan V} により導入できる。このペンローズ図からわかるように、シュワルツシルト時空には時間的無限遠 i + {\displaystyle i^{+}} と因果的に連結していない時空領域が存在し、ブラックホールと呼ばれる。その境界 r = 2 M {\displaystyle r=2M} が事象の地平面である。また、最大拡張したシュワルツシルト時空には、ふたつの漸近的に平坦な領域が存在し、「喉」状の領域(ブラックホールとホワイトホール)を介して繋がっている。
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