グリースのちょう度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/22 02:22 UTC 版)
グリースのちょう度(cone penetration)はグリースの硬さ(consistency)と流動性の最も一般的な指標である。グリースのちょう度とは、25℃で、規定の寸法・重さの円錐の先端を規定の方法でグリースの上に5秒間だけ落下させたときに先端がグリースに沈む深さ(針入度)の10倍である。グリースが硬い(高粘度で流動性が小さい)ほど円錐は浅く沈むため稠度は小さい。グリースが柔らかい(低粘度で流動性が高い)ほど円錐は深く沈むため稠度は大きい。形状を保持するのに十分な硬さの固形グリースのちょう度は通常、85未満である。 ちょう度には以下の種類が存在する。いずれも試験条件は25℃である。 混和ちょう度(worked penetration): グリースを規定の混和器で60往復だけ混和した直後のちょう度。60回の往復によりグリースは均一となり、かつ、使用時と近似した状態(剪断を受け続けている状態)となる。最も一般的で、性能評価に最も多用されるちょう度。 不混和ちょう度(unworked penetration): 試験に適した容器に可能な限りかき混ぜずに採ったグリースのちょう度。使用中のグリースの流動性を混和ちょう度ほど効果的に表さない。このため、グリースの性能評価には一般的に混和ちょう度のほうが適している。 多回混和ちょう度: 混和回数が60回を超えたとき、混和直後の試料のちょう度。 固形ちょう度: 規定の切断器を用いてグリースの塊から切り出した立方体の新しい面について測定したちょう度。 貯蔵ちょう度: 混和器の壺に25℃で規定の時間だけ試料を静置した後に測定したちょう度。
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