クワメ・アンソニー・アッピアとは? わかりやすく解説

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クワメ・アンソニー・アッピア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/16 06:36 UTC 版)

クワメ・アンソニー・アッピア
2007年の写真
生誕 (1954-05-08) 1954年5月8日(70歳)
イギリス ロンドン
時代 現代哲学
地域 アフリカ哲学[1]西洋哲学
出身校 ケンブリッジ大学クレア・カレッジ
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クワメ・アンソニー・アッピア(Kwame Anthony Appiah, 1954年5月8日[2] - )は、イギリス生まれアメリカ合衆国在住の哲学者文筆家ガーナ人の父とイギリス人の母をもつ[2]。著書に『コスモポリタニズム』(2006年刊、2022年日本語訳)など。

経歴

1954年ロンドンに生まれる[2]。父ジョー・アッピア英語版ガーナの政治活動家、アシャンティ王族の末裔)と母ペギー・アッピア英語版(旧姓クリップス、イギリス名家の活動家・作家)はともに著名人であり、その国際結婚は当時ニュースになった[2]

8歳までの幼少期をガーナのクマシで過ごす[2]。父が政治犯としてクワメ・ンクルマ大統領に投獄されたことなどから、一人イギリスに帰国し母方の家で青春時代を過ごす[2]

1975年、ケンブリッジ大学で哲学の学士号を取得[2]ガーナ大学教員を経て、1982年にケンブリッジで博士号を取得[2]。大学院ではイアン・ハッキングヒュー・メラー英語版の指導を受けた[2]。博士論文では言語哲学心の哲学確率論を扱った[2]

博士号取得後、言語哲学者としてダメット反実在論批判などを扱った後、1992年刊行の『In My Father's House: Africa in the Philosophy of Culture』を皮切りに、人種アイデンティティリベラリズムなどについての倫理学政治哲学を、心理学社会科学も参照しながら論じている[2]。1999年には、百科事典Encyclopedia Africana英語版』をW・E・B・デュボイスの影響のもとヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニアと共編で刊行した[3]。また教員として、イェール大学コーネル大学デューク大学ハーバード大学プリンストン大学ニューヨーク大学などに務めている[2]

私生活においては、1997年にアメリカ国籍を取得[2]ニューヨーク州の同性婚法成立英語版後の2013年に同性婚した[2]

栄誉として、アニスフィールド・ウルフ図書賞詩部門(1993年受賞)[4]アーサー・ロス書籍賞金賞(2007年受賞)、英国王立文学協会英語版会員(2017年選出)[5]米国芸術文学アカデミー英語版会長(2022年選出)[6]などがある。バーグルエン賞の審査委員(2016年創設以来)でもある[7]。2024年クルーゲ賞受賞。

著作

日本語訳

脚注

  1. ^ 河野哲也「現代のアフリカ哲学」、伊藤邦武山内志朗中島隆博納富信留編『世界哲学史8 現代 グローバル時代の知』筑摩書房〈ちくま新書〉、2020年。ISBN 978-4-480-07298-6。251頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 三谷尚澄「訳者解説」『コスモポリタニズム――「違いを越えた交流と対話」の倫理』、みすず書房、2022年。ISBN 978-4-622-09533-0。264ff頁
  3. ^ 古川哲史「W・E・B・デュボイスの生涯と時代 : 日本訪問(1936年)に関わる試論」『大谷大學研究年報』第69号、2017年。 NAID 120006459045https://otani.repo.nii.ac.jp/records/6318 32頁。
  4. ^ In My Father’s House” (英語). Anisfield-Wolf Book Awards. 2023年12月29日閲覧。
  5. ^ Rankin, McDermid and Levy named new RSL fellows” (英語). The Bookseller. 2023年12月29日閲覧。
  6. ^ Weinberg, Justin (2022年1月28日). “Appiah Named Next President of the American Academy of Arts and Letters - Daily Nous” (英語). 2023年12月29日閲覧。
  7. ^ Times, Ann M. Simmons Ann M. Simmons is a former global development writer/editor for the Los Angeles (2016年10月6日). “Canadian Charles Margrave Taylor wins inaugural Berggruen Prize for Philosophy” (英語). Los Angeles Times. 2023年12月29日閲覧。



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