4‐O‐メチルピリドキシン
ギンコトキシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 01:47 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ギンコトキシン | |
---|---|
![]() |
|
5-(hydroxymethyl)-4-(methoxymethyl)-2-methylpyridin-3-ol |
|
別称
4'-O-methylpyridoxine; 4-O-methylpyridoxine
|
|
識別情報 | |
略称 | MPN |
日化辞番号 | J351.197I |
|
|
|
|
特性 | |
化学式 | C9H13O3N |
モル質量 | 183 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ギンコトキシン(英語: Ginkgotoxin)とは、4'-O-メチルピリドキシンとも呼ばれ、イチョウによって生合成される神経毒である[1][2]。ギンコトキシンは、ビタミンB6(ピリドキシン)と構造的に拮抗する抗ビタミンで、てんかん発作を誘発し得る。
毒性
市販品による食中毒のいくつかの事例が報告されている。ただ、銀杏の摂取による中毒の方が、より懸念される。実際、特に子供が銀杏を食べ過ぎると、意識不明、痙攣が起こる事が有り、死に至る場合も有り得る[3]。ギンコトキシンは、構造的にビタミンB6に良く似ている。ギンコトキシンは、哺乳類のピリドキサールキナーゼの活性を減少させる事によって、ビタミンB6の活性化を阻害する事が示唆されている[4]。活性化ビタミンB6の減少は、グルタミン酸脱炭酸酵素の活性の低下につながり、GABAの生合成を阻害する。次に、神経伝達物質の興奮と抑制の間に不均衡が発生する。これが、てんかんの発作を引き起こす[4]。ギンコトキシンの毒性は、ビタミンB6のサプリメントを摂取する事によって緩和できる。
出典
- ^ http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902276940042752
- ^ http://www.linkdediet.org/hn/modules/weblogD3/index.php?date=20100416
- ^ Yoshimura T., Udaka N., Morita J., Jinyu Z., Sazaki K., Kobayashi D., Wada K. (2006). “High performance liquid chromatographic determination of ginkgotoxin and ginkgotoxin-5'-glucoside in Ginkgo biloba seeds”. Journal of Liquid Chromatography & Related Technologies 29: 605-616. doi:10.1080/10826070500531466.
- ^ a b Kästner U., Hallmen C., Wiese M., Leistner E., Drewke C. (2007). “The human pyridoxal kinase, a plausible target for ginkgotoxin from Ginkgo biloba”. The FEBS Journal 274 (4): 1036-1045. doi:10.1111/j.1742-4658.2007.05654.x. PMID 17250738.
関連項目
外部リンク
- 銀杏の食べ過ぎで小児が痙攣を起こす理由とは 日経メディカルオンライン 記事:2018年7月30日
- ギンコトキシンのページへのリンク