キイロイグチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 22:16 UTC 版)
キイロイグチ | |||||||||||||||||||||||||||
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Pulveroboletus ravenelii
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Pulveroboletus ravenelii (Berk. et M.A.Curtis) Murrill (1909)[1][2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
キイロイグチ |
キイロイグチ (黄色猪口[4]、学名: Pulveroboletus ravenelii) はイグチ科キイロイグチ属に分類される中型のキノコ(菌類)の一種。子実体は全体が鮮やかな黄色をしている。毒キノコの一つとされる[4]。地方名では、キアワダケ(秋田県)、レモンッコ(秋田県)ともよばれる[5]。
分布・生態
日本各地を含む東アジア、東南アジア、北アメリカなどに分布する[1][2]。 菌根菌[4]。初夏から秋にかけて、シイ・カシ林やアカマツ・コナラ林など、さまざまな針葉樹林、広葉樹林の地上に単生から散生する[4][2][5]。
形態

子実体は傘と柄からなる。全体は鮮やかな黄色(レモン色)の綿状粉質にまみれ、触ると手につきやすい[4][1]。傘の径は4 - 10センチメートル (cm) [1]。傘表面や柄の基部は茶色の綿毛で覆われることがある[4]。傘ははじめ半球形から丸山形で、のちに扁平に開く[2][5]。傘表はレモン色で、はじめは黄色のちに黄土色[5]、中央はやや褐色となり、湿ると多少粘性を示す[1][2]。
傘下面は管孔状で、最初は淡黄色だが、のちに胞子が成熟するとオリーブ褐色や暗褐色になる[4][1][5]。幼菌時、管孔面はレモン色のクモの巣状の薄い膜で覆われるが、成長するとその膜が破れて傘の縁から垂れ下がったり[5]、柄の上にツバとなって残骸として残ったりするものの[4]消失しやすい[2]。管孔の孔口は円形[2]。
柄は上下同大の中実で[5]、長さ4 - 10 cm[2]、表面は傘と同色[4]。柄の下半分は傘と同じ黄色い物質で覆われる[5]。柄の基部は、淡黄色から白色の根のようになった菌糸が付着する[5]。傘の肉は白色から淡黄色で、管孔とともに傷つくと強い青変性 があり[4]、やがて暗褐色になる[5]。担子胞子は大きさ9 - 12 × 4 - 5.5マイクロメートル (μm) の紡錘形で、淡オリーブ色、非アミロイド性[2]。胞子紋はオリーブ褐色[2]。
毒性
毒成分は不明であるが、食べると悪心、めまい、嘔吐などの胃腸系の中毒症状を引き起こす[5]。
類似するキノコ
傘の表面にうろこ状の茶色の鱗片が目立つのは、同属別種のウロコキイロイグチ(Pulveroboletus brunneoscabrosus)で、キイロイグチと同様な環境に発生する[4]。
脚注・参照
参考文献
- 秋山弘之『知りたい会いたい 色と形ですぐわかる 身近なキノコ図鑑』家の光協会、2024年9月20日。ISBN 978-4-259-56812-2。
- 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著『日本のきのこ』(増補改訂新版)山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、2011年12月25日。 ISBN 978-4-635-09044-5。
- 長沢栄史 監修、Gakken 編『日本の毒きのこ』学習研究社〈増補改訂フィールドベスト図鑑 13〉、2009年9月28日。 ISBN 978-4-05-404263-6。
- 前川二太郎 編著『新分類 キノコ図鑑:スタンダード版』北隆館、2021年7月10日。 ISBN 978-4-8326-0747-7。
キイロイグチと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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