ガネム・ベン・アイユーブとその妹フェトナーの物語(第36夜 - 第44夜)
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「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「ガネム・ベン・アイユーブとその妹フェトナーの物語(第36夜 - 第44夜)」の解説
バートン版「恋に狂った奴ガーニム・ビン・アイユブの物語(第38夜‐第45夜)」 東洋文庫版「狂恋の奴隷ガーニム・イブン・アイユーブの物語(第38夜‐第45夜)」 むかし、ダマスにいたアイユーブという豪商には、ガネム・ベン・アイユーブ・エル・モティム・エル・マスルーブという息子と、その妹フェトナーという娘がいた。ガネムが若いときに父アイユーブは亡くなったが、ガネムは一人バグダードに行き商売を始め、大儲けした。ある日、ガネムは町の外の葬儀に参列したが、夜遅くなり城門が閉まり町に入れなくなったため、墓場で夜明かしをしていると、3人の黒人が大きな箱を運んで墓場に近づいてきたため、木に登り隠れた。3人は墓場でスーダンの第1の黒人宦官サワーブの物語とスーダンの第2の黒人宦官カーフルの物語をして休憩した後、穴を掘って箱を埋めて帰って行った。ガネムが箱を掘り出すと、中には麻酔にかかった美女が入っており、ガネムは家に連れ帰った。 美女の名はクワト・アル・クールーブといい、教王(カリーファ)ハールーン・アル・ラシードの側室であったが、正后ゾバイダに恨まれて麻酔薬を飲まされ、箱に入れられて埋められたのだった。教王はクワト・アル・クールーブが死んだと騙されて悲嘆にくれたが、女奴隷の話から生きていることを知った。教王はガネムが手を出したと誤解して兵を送り、ガネムを捕らえようとするが、ガネムは無一文で逃げ延びた。また、教王はダマスの太守に文を送り、ガネムの母と妹を全裸にして町から追放させた。 しかし、クワト・アル・クールーブはガネムが手を出していないという真相を教王に教え、苦労の末にガネムとガネムの母と妹フェトナーを見つけ出した。ガネムは教王に謁見し、クワト・アル・クールーブと結婚する許しをもらい、フェトナーは教王の側室となり、教王の庇護のもと4人は幸せに暮らした。
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