カルシウム貯蔵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 14:24 UTC 版)
細胞内のカルシウム濃度は様々な機構によって厳密に制御されており、細胞中の情報伝達に重要な役割を果たしている。細胞内のカルシウム濃度の上昇により、セカンドメッセンジャー系が起動されたり、筋肉の収縮が起きたりと、様々な反応が起きる。細胞内におけるカルシウムの貯蔵場所としては小胞体が最も顕著だが、カルシウムの貯蔵に関して、小胞体とミトコンドリアは協調している。 と言うのも、ミトコンドリアは一過的なカルシウム貯蔵能を有し、細胞におけるカルシウム濃度の恒常性に貢献しているのである。ミトコンドリアは迅速にカルシウムを取り込む事が可能で、カルシウムは内膜のカルシウム輸送体により、マトリクスへと取り込まれる。これの動作は、ミトコンドリアの膜電位に依存している。 こうして取り込んだカルシウムを、ミトコンドリアが後々放出する事で、カルシウム濃度の緩衝作用を果たしている。なお、カルシウムの放出は、ナトリウム・カルシウム対向輸送、もしくは、カルシウム依存性カルシウム放出系によって行われる。
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