カリ定永閃石(Potassicsadanagaite)


愛媛県越智郡弓削町(弓削島)
(K,Na)Ca2[Fe2+3(Al,Fe3+)2]Si5Al3O22(OH)2 画像の幅約3.5mm、1.5cm
褐色部分にカリ定永閃石の小さな柱状結晶が見られます。
スカルン中にスピネル、ベスブ石、パーガス閃石などと共に産出します。
定永閃石の名称は鉱物学者の定永両一にちなんで名付けられました。
カリ定永閃石(Potassicsadanagaite)


岐阜県本巣郡根尾村能郷
(K,Na)Ca2[Fe2+3(Al,Fe3+)2]Si5Al3O22(OH)2 画像の幅約5cm、2cm
暗褐色部分にカリ定永閃石を含む標本です。
スカルン中にスピネル、ベスブ石、パーガス閃石などと共に産出します。
定永閃石の名称は鉱物学者の定永両一にちなんで名付けられました。
カリ定永閃石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 21:56 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動カリ定永閃石(カリさだながせんせき、 Potassic-sadanagaite)は、角閃石の一種で、定永閃石グループに属する。化学組成は[K][Ca2][Mg3Al2](Al3Si5O22)(OH)2で、単斜晶系に属する。1984年に愛媛県明神島で島崎英彦らによって発見された[1]。
概要
同時に愛媛県弓削島から発見された角閃石と共に、シリカに極めて乏しく、1価のイオンのサイトがナトリウムよりカリウムに富むという特徴を有している。命名は東京大学の鉱物学の教授であった定永両一に因む。当初は、2価のイオンのサイトが鉄に富む弓削島産が定永閃石として、マグネシウムに富む明神島産が苦土定永閃石(Magnesio-sadanagaite)として発表されたが、1997年の呼称の改定によって、1価のイオンのサイトがカリウムに富むものは、カリ(potassic-)の接頭語をつけることとなり、本鉱物もカリ苦土定永閃石と呼ばれることとなった。さらに2012年の改定により、2価のイオンのサイトはマグネシウムを主とするものが基本となったため、本鉱物は苦土の接頭語が除かれ、カリ定永閃石と呼ばれるようになった。
脚注
- ^ Shimazaki, H., Bunno, M. and Ozawa, T. (1984): Sadanagaite and magnesio-sadanagaite, new silica-poor member of calcic amphibole from Japan. Amer. Mineral., 69, 465-471.
参考文献
- 島崎英彦『石の上にも五十年』、第2章「新鉱物発見物語(2)定永閃石」、2009年、明文書房。ISBN 978-4-8391-0908-0 C0095
関連項目
カリ定永閃石と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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