デルフィニウム属
(オオヒエンソウ属 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/21 21:08 UTC 版)
デルフィニウム属 | ||||||||||||||||||
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デルフィニウム属の園芸品種
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Delphinium | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
ヒエンソウ属 |
デルフィニウム属(デルフィニウムぞく)とはキンポウゲ科の属の一つ。学名のDelphiniumは、ギリシア語でイルカを意味するDelphisから。これは、つぼみの形がイルカに似ていることに由来する。和名はヒエンソウ属(飛燕草属)である。今まで、チドリソウ属 (Consolida) として扱われていた植物群も現在、ヒエンソウ属に編入された[1]。
概要
ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、熱帯アフリカの山地に1478種程度が分布する。日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所を好む。 元来多年草であるが、日本の夏の暑さに耐えられないため、園芸店などでは一年草として扱われている。増やしたい場合は種で増やすことができる。発芽適温は15~20℃で、およそ2週間で発芽する。開花後は、一番花が終わりかけたころ、花茎を株元で切り戻すと、二番花を楽しめることがある[2]。アルカロイドの一種、デルフィニンを有し、食べると下痢や嘔吐を起こし、死に至る場合がある。
名前の由来
名前はギリシア語の「デルフィン(イルカ)」に由来する。
ギリシャにはデルフィニウムに関する逸話も残っている。昔、ギリシャのエリシタンという海岸に、オルトープスという若者がいた。魚を釣るのが好きで、暇を見つけては、海で釣りをしていたという。ある日、若者は巨岩から足を滑らせ、海に落ちた。若者を助けてくれたのはイルカで、それから若者とイルカは気持ちが通じ合い、毎日のように海辺で戯れあった。ある日、漁師たちがイルカを一網打尽にしようと相談を始めた。若者はイルカたちをはるか海岸まで逃がしたが、そのために漁師たちに殺され、死体は海に投げ捨てられてしまった。イルカたちは深く悲しみ、若者の魂が花に宿るよう神に訴えた。神はその友情を喜び、若者を飛燕草の花に変えたという[3]。
主な種
- チドリソウ(Delphinium ajacis L., 1753)
- ヒエンソウ (Delphinium × cultorum Voss, 1894)
- オオバナヒエンソウ(Delphinium grandiflorum L., 1753)
- セリバヒエンソウ(Delphinium anthriscifolium Hance, 1868)
脚注
- ^ World Checklist of Selected Plant Families: Royal Botanic Gardens, Kew 英国王立植物園キュー・植物チェックリスト (https://wcsp.science.kew.org/home.do) 7/31, 2023. 調べ。[リンク切れ]
- ^ “デルフィニウムとは?育て方・栽培方法|植物図鑑”. LOVEGREEN(ラブグリーン). 2025年5月21日閲覧。
- ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、145頁。
外部リンク
- デルフィニウム(飛燕草:ひえんそう) - 北海道
- デルフィニウムとは|育て方がわかる植物図鑑 - みんなの趣味の園芸(NHK出版)
固有名詞の分類
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