エバーメクチン

デジタル大辞泉

エバーメクチン【avermectin】

読み方：えばーめくちん

放線菌の一種が産生するマクロライド系抗生物質。糸状虫など線虫の神経に作用し、麻痺させたり発育を防止したりするはたらきももつ。1979年に大村智らが発見。アベルメクチン。

[補説] エバーメクチンを生産する放線菌は1974年に大村智が静岡県伊東市川奈で採取した土壌から発見され、米製薬会社との共同研究により1979年、抗生物質エバーメクチンが発見された。イベルメクチンはこれを改良したもので、1981年に動物用医薬品として発売された。

微生物の用語解説

エバーメクチン [Avermectin]

　放線菌の1種Streptomyces avermitilisが産生するマクロライド抗生物質の一つで、フィラリアなどの線虫の発育を阻止するまれな抗寄生虫性抗生物質である。A1(a,b),A2(a,b),B1(a,b),B2(a,b)の8種の誘導体があり、フィラリアによっておこる風土病として知られているオンコセルカ症には、とくにジヒドロ誘導体が有効で実用化されている。