エテリン説と根の説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 14:23 UTC 版)
「電気化学的二元論」の記事における「エテリン説と根の説」の解説
1820年代に入ると有機化合物の系統的な研究が行なわれるようになった。アンドレ・デュマはエタノールから得られる化合物について研究していた。デュマはアンモニアと酸の反応との類推から、エタノールやその誘導体はC2H4((現在のエチレンに相当する))のような電気的に陽性な塩基と水などの電気的に陰性な酸との複合体と考えると都合が良いことに気が付いた。ベルセリウスがC2H4の塩基をエテリンと命名したことから、この説をエテリン説という。 また、フリードリヒ・ヴェーラーとユストゥス・フォン・リービッヒは1832年に安息香酸誘導体の研究から、反応によって変化しないC7H5Oの部分が存在することに気がつき、これをベンゾイル根と命名した。さらに翌年ロバート・ケインが、デュマが研究したのと同じエタノール誘導体にも反応によって変化しないC2H5の部分があることに気づき、これをリービッヒも翌年独立に発見しエチル根と命名した。このように反応によって変化しない部分が有機化合物の内部に存在するという説を根の説という。ベルセリウスは、炭素や水素が陽性の複合体を形成しているという自身の考えに基づき、根の説を支持した。なおベンゾイル根については真の根はC7H5の部分でその酸化物がベンゾイル根と考えていた。
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