アヴァンギャルドとキッチュ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 21:36 UTC 版)
「クレメント・グリーンバーグ」の記事における「アヴァンギャルドとキッチュ」の解説
グリーンバーグは、論文「アヴァンギャルドとキッチュ('Avant Garde and Kitsch')」(1939年)でその名を広く知られるようになる。同論文で彼は、芸術がアヴァンギャルド(前衛)とキッチュ(俗悪なもの)に分化している状況を指摘し、アヴァンギャルドやモダニズムは、消費社会によって引き起こされた文化の「ダミング・ダウン(dumbing down)」に抵抗する手段であると書いた。ここでグリーンバーグは文化の大衆化を表す語としてドイツ語の「キッチュ(kitsch)」を用いた。彼によればモダニズムは、哲学同様に、我々が世界を経験し理解する枠組みを探求するものであり、単に正確な絵画的描写によって世界を記述するものではない。「アヴァンギャルドとキッチュ」は一方で、政治的動機から書かれた論文でもあり、ナチス・ドイツやソヴィエトがモダニズムを弾圧し、国策的な「アーリア美術」や「社会主義リアリズム」に置き換えてきたことに対する異議申し立てをしている。
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